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中国伝統工芸「鼻煙壷(ビエンコ)」とは?高額査定ポイント4つ。

「鼻煙壷(ビエンコ)」についてご紹介します。

鼻で煙を楽しむ壷

鼻煙壷とは細かく砕いた煙草の葉を鼻で吸い込んで楽しむ「嗅ぎ煙草」を入れておくための小さな容器のことです。ヨーロッパでは主に箱型の容器が使われていますが、中国ではより密閉性の高い壷型の容器がつかわれ、「鼻で煙を楽しむ壷」ということで鼻煙壷と呼ばれています。
今回は中国の鼻煙壷の歴史と高額査定のポイントを紹介します。

 

鼻煙壷の歴史

南米を原産とする煙草がヨーロッパに伝わったのは大航海時代以降のことで、当初は「薬草」「万能薬」として幅広く浸透しました。
16世紀にヨーロッパからアジアにもたらされた煙草は17世紀初頭までには中国や日本、インドなどにも広まり、なかでも嗅ぎ煙草は上流階級の間で親しまれるようになります。
当初、中国では嗅ぎ煙草と一緒に輸入した箱型の容器を使用していましたが、海外と盛んに貿易を行っていた地域は気候が温暖で湿度が高いため、高価な嗅ぎ煙草が湿気てしまうという問題がありました。
その問題を解決するため薬を入れるのに使う小瓶を代用するなど、より密閉性の高いよう気が使われるようになりましたが、その後、清朝が隆盛を迎えると高級な嗅ぎ煙草の容器にも芸術性が求められるようになり、鼻煙壷という専用の容器が誕生、その美しさや装飾性が競われるようになります。
わずか10センチ程度の小さな容器に精緻な装飾が施された中国の鼻煙壷は、ヨーロッパの美術品や香水瓶のデザインなどにも影響を与え、現在でも非常に人気が高く世界中に多くのコレクターが存在しています。

 

高価買取になる鼻煙壷

コレクターが多い鼻煙壷は価値がつきやすい品ですが、鼻煙壷であればどんな品でも高価買取になるというわけではありません。どのような鼻煙壷であれば高価買取になるのでしょうか。

 

 1. 【素材】

鼻煙壷は金、銀、陶器、ガラス、メノウ、象牙などさまざまな素材で作られています。金や銀、メノウなど素材自体に価値がある品、象牙など現在は入手困難な素材で作られている品は陶器やガラスよりも高値がつきやすい傾向があります。

 

 2. 【年代】

鼻煙壷は現在でも作られており、使用されている素材は今も昔もほとんど変わりありません。しかし、古い時代の品は骨董的価値、希少価値がつきやすく、現代の品に比べると高値になる傾向があります。
特に、鼻煙壷の最盛期ともいえる清朝時代の鼻煙壷はその美しさからも評価が高く、底の部分に乾隆年製や光緒年製などと書かれている陶磁器製の鼻煙壷などは思わぬ高値がつくこともあります。

 

 3. 【技法と意匠】

壷の内側に絵が描かれた「内絵鼻煙壷」や、色ガラスにカメオ彫りなどの技法を用いて立体的に仕上げた「乾隆ガラス」の鼻煙壷、粉彩(琺瑯彩)で精巧な絵付けが施された陶磁器製の鼻煙壷などは高値がつく可能性があります。
また、技法だけではなく意匠によっても美術的価値や希少性が変わります。

 

 4. 【状態】

大きな傷や汚れがないか、蓋と本体が合っているか、蓋に嗅ぎ煙草を乗せるためのさじがついているかなども重要なポイントです。
状態が良い品ほど高価買取となり、来歴がわかる箱や書状などがついているとさらなる高値が期待できるでしょう。

 

まとめ

現在入手可能な鼻煙壷のなかには、古い時代の技法や形に似せて作った新しい時代の品も数多く出回っています。そのため、正確な知識と経験がない業者に売却すると実際の価値より安く買い取られる可能性があります。
高額買取を希望するなら中国骨董や中国の伝統工芸品に関する知識と取り扱い実績のある業者を選ぶようにしましょう。

 

 

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