勲章の種類と序列、その中でも骨董的価値の高い勲章について教えてください。
勲章の種類と序列、骨董的価値の高い勲章について説明します。
「勲章」と「叙勲」
明治時代、日本では国家が国民の功績や業績に応じて「官位」や「勲位」を与える「叙位」と「叙勲」が整備されましたが、叙位制度が戦後に廃止され、現在は叙勲制度だけが残されています。
叙勲を受ける国民は、国家行事でその功績をたたえられ、褒賞や賜杯を授与されますが、「勲章」はそのときに受け取る「栄誉を示すために身に着ける飾り」のことです。
現在日本では、瑞宝章、文化勲章など22種類の勲章が存在します。
勲章の種類
勲章は「菊花賞」「桐花章」「旭日章」「瑞宝章」「宝冠章」「文化勲章」に分けることができます。
このうち、菊花賞と桐花章は特にすぐれた功労がある人に対してのみ与えられる章で、もっとも序列が高い「大勲位菊花章頸章」、序列2位の「大勲位菊花章大綬章」、3位の「桐花大綬章」となっています。
「旭日章」「瑞宝章」「宝冠章」「文化勲章」は序列4位以下に与えられる章で、功績や業績の内容によって与えられる章が異なります。
旭日章と瑞宝章は国家や公共に対して功労を残した人に対して与えられる章ですが、旭日章は民間企業に勤める人、瑞宝章は公務員や公共的な業務に携わってきた人という違いがあります。
また、宝冠章は「特別の場合、婦人の功労ある者」に授けられると定められており、現在は女性皇族や外国人に対する儀礼叙勲として運用されています。
文化勲章は名前のとおり、文化の発達に大きな功労を残した人に与えられる章で、旭日章、瑞宝章、宝冠章が序列4~9位が制定されているのに対し、4位のみとなっています。
勲章の序列
勲章の序列は以下のとおりです。
【1位】…大勲位菊花章頸章
【2位】…大勲位菊花章大綬章
【3位】…桐花大綬章
【4位】…旭日大綬章/瑞宝大綬章/宝冠大綬章/文化勲章
【5位】…旭日重光章/瑞宝重光章/宝冠牡丹章
【6位】…旭日中綬章/瑞宝中綬章/宝冠白蝶章
【7位】…旭日小綬章/瑞宝小綬章/宝冠藤花章
【8位】…旭日双光章/瑞宝双光章/宝冠杏葉章
【9位】…旭日単光章/瑞宝単光章/宝冠波光章
骨董的価値の高い勲章
七宝焼きやメッキなどさまざまな工程を経て作られた勲章は、それぞれ大きさやデザインが異なり、美的価値が高いものとなっています。
保存状態によって価格は変化するものの、授章者が少ない序列1~4位の勲章は希少性が高く、価値が高くなります。
また、勲章には男性用と女性用でデザインが異なるものがあり、女性は男性に比べて授章者が少ないことから、序列に関係なく価値が高い傾向があります。
また、勲章のなかでも明治時代の勲章や、戦前・戦中の勲章は骨董的価値が高く、なかでも現存数が少ない「満州帝国皇帝訪日記念章」などの満州国に関する勲章は現存数が少なく、とくに高い価値が付きます。
まとめ
美術的価値、歴史的価値も高い勲章は、国内外に数多くのコレクターがいる骨董品の人気ジャンルの一つです。
遺品整理などで見つかって処分に困ることが多い勲章ですが、高い価値がある可能性もありますので、お手元に処分を検討している勲章があるときは、一度弊社にご相談ください。