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薩摩切子と江戸切子はなにが違いますか?

薩摩切子と江戸切子の違いをご紹介します。

日本のカットガラス「切子」

南蛮貿易で「ギヤマン」と呼ばれるカットガラスが輸入され、広く知れ渡るようになった江戸時代、日本でも「切子」とよばれるカットガラスが製造されるようになりました。

現在、工芸品として馴染みがある「切子」は、江戸時代に町民が作り始めて発展を遂げた「江戸切子」と、薩摩藩藩主が主体となって発展させた「薩摩切子」の二つがあります。

どちらも、江戸時代に作られ始め、透明ガラスと色ガラスの二層になったガラスに模様をカットするという点は同じですが、それぞれ異なる特徴があり、独特の魅力があります。

 

ガラスの厚み

江戸切子と薩摩切子のもっとも大きな違いは、江戸切子が一般的なグラスのような薄さであるのに対し、薩摩切子はかなり厚みがあるという点です。

これは、江戸切子が透明ガラスの上に色ガラスを薄く吹き付けるのに対し、薩摩切子は透明のガラスの上に厚みのある色ガラスを被せるという製法の違いにあります。

厚みのある薩摩切子は手に持った時にどっしりとした重厚感がありますが、江戸切子は軽いのが特徴です。

 

カットの方法と色調

江戸切子はガラス層が薄いためカットが浅く、触ったときの感触があまりゴツゴツしていません。色がついた部分と透明な部分の境界がはっきりしているほか、光をよく通すため強い輝きが特徴です。

一方、薩摩切子は江戸切子よりもカットが深く、全体的にゴツゴツとした立体感があります。また、カットの角度を緩やかにすることで色ガラスと透明ガラスのバランスを微妙に変化させ、色にグラデーションをつけていることも大きな特徴です。

 

さらに、江戸切子は「麻葉」「魚々子」「亀甲」といった、着物などに使われる伝統文様が刻まれますが、薩摩切子は伝統文様のほかに「薩摩縞」など独特な模様が刻まれることがあります。

 

国認定の伝統工芸品かどうか

江戸切子は成立から現在まで途絶えることなく技術が受け継がれており、国の伝統工芸品に認定されています。

一方、薩摩切子は藩による事業縮小、薩英戦争、幕末維新や西南戦争などの影響により明治期に一度途絶え、昭和時代に江戸切子の技術などを取り入れながら復刻しました。

そのため、国の伝統工芸の認定条件である「技術を継承していること」を満たしておらず、鹿児島県の「伝統的工芸品」に認定されてはいるものの、国の伝統工芸品には認定されていません。

 

まとめ

江戸切子と薩摩切子はどちらも日本の伝統を引き継ぐガラス工芸ですが、その歴史や見た目、質感などには大きな違いがあります。いずれも、古い品には価値がありますが、復刻前の薩摩切子は現存数が少ないため、その希少性から非常に高い価値がつきます。

 

 

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