菊花石、その中でも根尾谷菊花石の特徴とその価値について教えてください。
根尾谷菊花石の特徴と価値をご紹介します。
鑑賞石として人気が高い菊花石(きっかせき)
山地が多い日本では、石はどこにでも転がっているありふれた存在であり、形や色を意識して鑑賞するということないかもしれません。
しかし、中国では12世紀ごろから「愛石趣味」という石を鑑賞する文化があり、日本にも13世紀ごろには石を盆栽のように楽しむ「盆石」が伝来していたといわれています。盆石のほかにも日本庭園で枯山水などの大きな石を置いて自然の風景を再現するなど、日本では古くから石を鑑賞する文化がありました。
鑑賞に用いられる石にはさまざまなものがありますが、美しい模様がある石はたいへん好まれ、なかでも菊の花のような模様がついた菊花石は人気が高く、その美しさから「鑑賞石の最高峰」ともいわれています。
根尾谷菊花石
菊花石がどうしてできるかはいまだに解明されていませんが、なかでも有名なのが岐阜県本巣市根尾地域の「根尾谷菊花石」です。
根尾地域の地質は地質学的観点から非常に質がよいと言われており、根尾谷産の菊花石も質がよいということから、多くの愛好家が菊花石を求めて根尾地域を訪れました。
しかし、根尾地域は地層の質がよいというだけではなく、菊花石の採取地域の一部である根尾谷断層は「日本で確認できる最古の活断層」であるため、地質学的な観点から保護が必要と判断されることとなり、昭和2年に根尾谷活断層が国の天然記念物に指定されました。
また、昭和16年には根尾谷産の菊花石が天然記念物に、さらに昭和27年には根尾谷断層、根尾谷菊花石がともに特別天然記念物に指定され、根尾谷菊花石の採掘は不可能となりました。
菊花石の特徴
菊花石の最大の特徴は、ベースとなる「母石」に浮かび上がる、菊の花のような放射状に広がる模様です。
模様の大きさはさまざまで、数センチ程度の小さな模様から20cmほどの「大輪」と呼ばれる模様まであり、母石に菊花模様が1つだけという菊花石があれば、小花を散らしたように大量の菊花模様で母石が埋め尽くされた菊花石もあります。
菊花模様は白が一般的ですが、母石に含まれる成分によって赤、黄色、青などの色がつくこともあり、さまざまな花模様を楽しむことができます。
菊花石の価値
菊花石は「鑑賞して楽しむ石」ですので、その価値は最大の魅力である菊花模様の美しさで決まります。
しかし、ライフスタイルの変化や石の愛好家が高齢化したことの影響もあり、現在は「鑑賞石」そのものの需要が低いため、状態がよい菊花石でも売却額は低めの傾向があります。
特に、重量がありサイズが大きい場合は買い手がつきにくいということから、買い取りを拒否されることもあります。
ただし、根尾谷菊花石は別です。
根尾谷菊花石は「特別天然記念物」に指定されているため、現在は採取が禁止されています。
そのため、根尾谷産の菊花石は希少性が高く需要も高いということから、他の菊花石に比べて価値が高くなります。
まとめ
現在、鑑賞石の価値は全体的に下がっていますが、根尾谷菊花石だけは希少性の高さ、質の良さ、需要の多さから価値が高く、模様の美しさや石の状態がよければ高額査定となることもあります。
箱や石を飾るための台座などの付属品がついているとさらに査定額が高くなりますので、売却を検討している根尾谷菊花石があるときは、弊社にご相談ください。