木地呂塗りと豪華な鉄の飾りが特徴の仙台箪笥。買取相場はいくらくらい?
仙台箪笥の特徴と買取相場をご紹介します。
江戸時代から続く伝統家具
仙台箪笥は宮城県仙台市周辺で作られている箪笥で、伊達政宗が青葉城を築城する際、大工の棟梁に作らせた建具の一部がそのルーツだと言われています。江戸時代末期からは仙台藩の藩士たちが刀や羽織・裃(かみしも)、書類などを保存するための家具として利用されるようになり、仙台藩の地場産業として発展しました。
明治末期から大正中期にかけて種類や生産量が増え最盛期を迎え海外にも輸出されるようになります。戦時中は生産が一時的にストップしますが、戦後再び生産を再開、平成2年に県の伝統的工芸品に指定、平成27年には経済産業大臣指定の伝統的工芸品となりました。
仙台箪笥の特徴
仙台箪笥は、指物・塗・金具の三つの技術が一つになった「三技一体」の美しさが特徴です。
側面には杉、前面は欅、引出し内部には吸湿性の高い杉や桐を使うなど、複数の木を部分や用途に合わせて選択し、釘を使わずに組み立てる「指物」、「拭き漆塗り」「木地呂塗り」「朱色塗り」の3つの技法で木目を美しく浮き上がらせる「塗り」、彫金によって創り出される龍や牡丹などの繊細かつダイナミックな「金具」が融合し、独特な重厚感と華やかさを生み出しています。
11もの工程を経て作り出される仙台箪笥は、原木の切り出しから完成までおよそ30年かかり、指物、塗り、金具などの工程は職人が一つ一つ手作業で行っていることから、古くから高級品として珍重されています。
仙台箪笥の相場
仙台箪笥の買取価格は、小箪笥は数千円~2万円程度、中箪笥は2万~6万円、大箪笥なら5万円~がおよその相場ですが、状態、種類、塗りや金具の美しさなどによって変わります。たとえば、全体のサイズが同程度の箪笥でも、装飾がシンプルな箪笥はやや安く、金具を多く使った装飾性の高い箪笥は高値がつく傾向があります。
また、需要がどの程度あるかも買取価格を左右するポイントです。たとえば、和服用の浅い引き出しがついた箪笥と洋服なども収納できるやや深みがある引き出しがついた箪笥では、和服用の箪笥の方は需要が少ないため価格が下がります。仙台箪笥の定番的なイメージがある「木地呂塗り」の箪笥は、「拭き漆塗り」の箪笥よりも高値がつきやすい傾向があります。
まとめ
仙台箪笥を売却する際は、仙台箪笥をはじめとした和箪笥や民芸家具などを扱っている業者を選びましょう。家具を取り扱っている業者であれば品物や市場に関する知識もあるため、正確な価値を判断してもらえます。
また、家具をメインに扱っている業者の場合、販路をしっかり持っていることが多いため、多少状態が悪くても買い取ってもらえる可能性があります。
出張買取を行っている業者であれば、持ち運びが難しい中箪笥や大箪笥の売却も簡単です。
仙台箪笥や和箪笥などの取り扱い経験や知識がない業者の場合、正確な価値を判断してもらえず安い値段をつけられる可能性がありますので、できるだけ高く売るためにも売却先は慎重に選びましょう。