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数珠に使われる材料には何がありますか?骨董価値の高いのはどんなものですか?

数珠の素材と骨董価値についてご説明します。

数珠の素材

お墓参りや仏壇を拝むときはもちろん、近年は装飾品としても人気を集めている数珠は、宗派によって珠の数や房、使い方が異なりますが、数珠の素材は宗派ごとの差はありません。

数珠の素材となるのは大きく分けて「石素材」「植物素材」「動物素材」の3種類です。

 

石素材

石を使った数珠は、比較的安価な水晶やアメジストのほか、ヒスイやメノウ、ターコイズ、タイガーズアイ、ガーネットなど、パワーストーンとしてなじみが深い貴石が多く使われています。

古くから「魔除け」「霊性を高める」などの効果があると信じられており、装飾的な美しさも相まって今も昔も人気が高いタイプの数珠です。

 

植物素材

華やかな印象が強い石素材の数珠に比べると質素で重厚感のある植物素材の数珠は、煩悩を捨て、俗世の苦しみから解放されることを目的とした仏教の教えにふさわしいということから、仏教修行者や僧侶などが身に着けていることが多い数珠です。

なかでも、釈迦がその下で入滅したといわれる菩提樹の実は神聖で縁起が良く、触れるだけで罪が消える、見るだけで利益があるといわれています。

また、菩提樹の実はインドでは「ルドラクシャ」と呼ばれており、ヒンドゥー教の神シヴァが流した涙が実になったものだと伝えられており、シヴァが身に着けているネックレスや髪飾りにも使われています。シヴァ神を信仰する修行者も身に着けていますので、写真などで見たことがある人もいるかもしれません。

また、極楽浄土に咲いているといわれる蓮の実や、釈迦が如来や弟子たちのために作ったといわれるムクロジの数珠、仏教では香木としてなじみの深い白檀や、その仲間であり仏壇、仏具の素材としても使われる黒檀、紫檀の数珠も古くから多くの人に愛されています。

 

動物素材

仏教は殺生を嫌いますので、殺生をイメージする動物素材の数珠はあまり多くありません。

しかし、真珠や珊瑚を使った数珠は昔から人気があり、特に女性から愛されてきました。

このほか、象牙や動物の骨を使った数珠も存在します。動物の骨を使った数珠は日本では珍しく、チベット仏教など海外の数珠に見ることができます。

 

数珠の骨董価値

数珠を買い取る際、査定額は「骨董的価値」「素材そのものの価値」「希少性」によって変化しますが、「石素材」「植物素材」「動物素材」のなかでは植物素材の数珠に骨董価値が高いものが多い傾向があります。

 

数珠の歴史と骨董価値

数珠の発祥は現在のヒンドゥー教の元になった「バラモン教」の神々が身に着けている「連珠」が元になっているのではないかといわれています。

バラモン教がヒンドゥー教となり、仏教の中にヒンドゥー教が取り入れられ、発展しながら日本に伝えられたのが奈良時代で、このとき同時に数珠も伝えられたといわれています。

しかし、この当時の数珠は金、銀、水晶などで作られており、庶民の手が届く存在ではありませんでした。

時代が進んで鎌倉時代になると、仏教は日本国内に発展しながら広まり、数珠も一般庶民にとって身近な存在になっていきました。

当時の仏教は信仰心に重点が置かれていたため、仏教が持つ「煩悩を捨てる」という思想に即している質素さや、加工のしやすさといった点からムクロジをはじめとした植物素材の数珠が多く使われていたようです。

このことから、植物素材の数珠は骨董価値が高いことも多く、なかでも現在ではあまり見ることができないムクロジや蓮の実の数珠は希少価値も高いといえます。

一方、水晶などの貴石を使った数珠は奈良時代以降は数が少なく、日本では明治時代ごろまで宝石文化自体が発展しなかったということもあり、石素材の数珠は比較的新しく骨董価値は低めです。ただし、素材自体の価値が高いので高額査定になる可能性があります。

 

まとめ

数珠にはさまざまな素材があり、査定を行う際はさまざまな視点から価値を判断する必要があります。

そのため貴石を使っているから査定額が高く、木でできているから査定額が低くなるとはかぎらず、骨董価値が高く状態がよければ木でできた数珠でも貴石を使った数珠より高額査定になることもあります。

しかし、正しい知識がなければ骨董価値を判断することはできませんので、売却を検討している数珠がある場合は専門知識がある業者を選ぶことが重要です。

 

 

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