茶席を彩る菓子器！菓子鉢や縁高の種類と選び方のコツ

茶席で使われる菓子鉢と縁高とは？その特徴と使い方を解説します。

茶道において、お菓子はお茶の味わいを引き立てる大切な存在です。そして、そのお菓子を供するための「菓子器」は、茶席を華やかに彩る重要な役割を担っています。本記事では、茶席で使われる菓子器の種類や使い方、選び方について詳しく解説します。茶道の基礎知識として、ぜひ参考にしてください。

菓子器とは？

菓子器は、茶席で主菓子や干菓子を供するための器具です。それぞれのお菓子に合わせて器が選ばれ、その素材や形状は多岐にわたります。お菓子を供するだけでなく、茶席の雰囲気や季節感を演出する役割も持っています。

茶道では、主菓子と干菓子に分けられ、それぞれに適した菓子器が使用されます。

主菓子器の種類と特徴

主菓子器は、饅頭、ようかん、団子などの生菓子を盛るための器です。以下に主な種類を紹介します。

菓子椀

菓子椀は、正式な茶会で主菓子を盛る際に使用される、格調高い菓子器です。蓋付きで、主に朱塗りや縁金が施された華やかなデザインのものが多く見られます。吸い物椀より背が低い形状が特徴です。客数分の黒文字や楊枝を添えて提供します。

菓子鉢

陶磁製の菓子鉢は、主菓子を盛るための代表的な器です。唐物と和物があり、それぞれ独特の魅力を持っています。唐物では天竜寺青磁や輪花鉢、和物では透鉢や雲錦鉢が有名です。取り分け用の黒文字箸を添えて使用します。

縁高

縁高は濃茶席で使われる主菓子器で、重箱の形をしています。1段に1つずつ菓子を盛り付けるのが基本で、人数が増えると最上段から菓子の数を増やしていきます。塗り物で作られることが多く、茶席の格式を高める役割を果たします。

食籠（じきろう）

食籠は、主菓子を盛る器で、蓋付きの形状が特徴です。円形や角形のものがあり、漆器や陶磁器で作られます。最後の客が蓋を裏返す所作が伴うのも特徴的です。

干菓子器の種類と特徴

干菓子器は、水分の少ない落雁や煎餅などの干菓子を盛るための器です。以下に代表的な干菓子器を紹介します。

高坏（たかつき）

高坏は足付きの皿状の器で、古くから伝わる伝統的なデザインです。蒔絵の施された豪華なものから、無地のシンプルなものまで幅広い種類があります。

振出（ふりだし）

振出は、金平糖や甘納豆などの小粒の干菓子を入れるための小型の器です。ひょうたん型の形状が一般的で、振ることで菓子を取り出します。使う際の所作も美しい道具です。

和菓子を供する際の必需品

黒文字

黒文字は、主菓子を食べる際に使用する楊枝のような道具です。黒文字の木から作られ、用途に応じて長さや形状が異なります。

銘々皿

銘々皿は、個々の客に菓子を供するための小皿です。素材やデザインが豊富で、茶席の趣向に合わせて選ばれます。

菓子器の選び方

茶席の形式に合わせた選択

茶席の種類や格式に応じて、適切な菓子器を選ぶことが重要です。正式な茶会では格調高い菓子器を、カジュアルな茶会ではシンプルなものを選びましょう。

季節感を考慮する

菓子器の素材やデザインには季節感が反映されることが多いため、四季折々の趣を取り入れることで茶席をさらに引き立てることができます。

まとめ

菓子器は、茶席を彩る重要な道具であり、お菓子の美しさを引き立てるだけでなく、茶席全体の雰囲気を高める役割も担っています。それぞれの器の特徴を理解し、用途や茶席の雰囲気に応じて適切に選ぶことが大切です。菓子器の選定に迷った際は、茶席のテーマやお客さまの趣向を考慮するとよいでしょう。

菓子器や茶道具についてさらに詳しく知りたい方は、ぜひ当社に相談してみてください。あなたの茶席に最適な一品が見つかるはずです。