鉄瓶の使い方と普段のお手入れ方法について教えてください。
鉄瓶の使い方と普段のお手入れ方法をご紹介します。
鉄瓶の使い方や手入れは意外と簡単
扱いが難しそうというイメージのある鉄瓶ですが、実際に使ってみると意外と簡単に使えて、手入れも楽だと感じる方が多いようです。現在普及しているヤカンなどに比べると多少の手間はかかりますが、上手に扱えば長持ちしていつまでも気持ちよく使うことができます。
使用後は水分は残さずしっかり乾かす
鉄瓶を使用する上でもっとも大切なポイントは、使用後に水分を残さないことです。鉄瓶の内側には「金気止め」という錆びにくい加工が施されていますが、金気止めの効果は永続的なものではありません。また、鉄でできている以上、金気止めをしていても水に触れていると錆びてしまいます。金気止めをしていない部分であればさらに錆びやすくなります。
鉄瓶を使用したら、まだ鉄瓶に熱が残っているうちに中の水を捨て、蓋を開けたまま置いておきましょう。余熱で水分を蒸発させることができます。
また、中の水を捨てる前に鉄瓶が冷めてしまったときや、余熱で水分が蒸発しきらなかったときは、弱火~中火の火にかけて水分を飛ばします。空だきにならないよう、水分がすべて蒸発する前に火を止め、残りの水分は余熱で乾かすとよいでしょう。ドライヤーを使って乾かす方もいるようです。
鉄瓶に水を入れたまま一晩放置するといったことがないよう注意しましょう。一度や二度なら問題ないかもしれませんが、鉄瓶が錆びる原因となります。
鉄瓶の内側には触らない
鉄瓶を使用していると内側に白い汚れのようなものが付着します。これはカビやさびなどではなく、水の中に含まれるミネラルが結晶化した「湯垢」というものです。湯垢は鉄の表面に付着して錆を防ぐ役割をするため、鉄瓶の内側に湯垢をつけることは非常に重要なポイントとなります。鉄瓶の内側をスポンジやたわしなどでこするとせっかくついた湯垢が剥げてしまいますので、鉄瓶の内側には触らないようにしましょう。
特に、湯垢がまだ定着しきっていない使い始めのころは絶対に触らないよう注意が必要です。金気止めの効果が切れる前に湯垢をつけておかないと、鉄瓶がさびやすくなってしまいます。新品の鉄瓶はできるだけ毎日使用するようにして湯垢をつけましょう。一カ月ほど毎日使い続ければ湯垢をしっかりつけることができます。
空だきしない
鉄瓶を空だきすると変色や破損の原因になります。火事などの原因になることもあるので空だきしないよう注意しましょう。
また、空だきをして内側が錆びたときは、米のとぎ汁を入れて弱火で何度か沸騰させるとよいでしょう。目安はとぎ汁が赤く濁らなくなるまでです。
錆びてしまったときは
錆びは人体に有害なものではないため、内側にポツポツと錆がある程度ならあまり気にする必要はありません。広い範囲が錆びて赤い水が出るという場合でも、人によってはお腹が緩くなる程度です。
しかし、水の味や匂いが変わってしまいますので、赤い水が出る、水が濁っているときは、錆が出なくなるまでお湯を沸かすして捨てることをくり返すか、緑茶を煮出したあと一晩置くとよいでしょう。
外側が錆びたり、変色したときは、鉄瓶が熱いうちに緑茶を含んだ布巾でパッティングしてください。
まとめ
鉄瓶は、もともと日々使う生活用品として生まれたものです。使用方法が複雑で手入れが面倒な生活用品は、時代とともにすたれていくのが常というもの。鉄瓶が長く広く親しまれていたのは、生活用品としての利便性が高く、それなりに扱いやすかったからといえるのではないでしょうか。
使ってみると意外と簡単で手入れも楽だと感じられるはずですので、普段の生活にぜひ鉄瓶を取り入れてみてください。お茶の味が格別なのはもちろん、鉄分の補給にもなります。