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茶道の三千家の作法の違いについて簡単に教えてください。

茶道の三千家の作法の違いについてご紹介します。

流派によって異なる作法

茶道の流派はおよそ500あるといわれており、流派によって作法が異なります。

茶道の流派のなかでも「三千家」として有名な表千家、裏千家、武者小路千家は、いずれも「侘茶」の始祖である千利休の孫がそれぞれ打ち立てた流派あり、元々は同じ流派であることから、使用する道具や所作に多くの共通点を見ることができますが、細かな部分が微妙に異なります。

 

歩き方

  • 表千家:茶室に入るときは「左足から」畳1枚を「6歩」で歩きます。

  • 裏千家:茶室に入るときは「右足から」畳1枚を「4歩」で歩きます。

  • 武者小路千家:柱側の足から1畳を6歩で歩くと定められており、右足左足という取り決めはなく茶室の造りによって変わります。

なお、茶室を出るときは表千家・裏千家ともに「入るときの足と逆の足から」となっており、武者小路千家では特に決められていません。

 

帛紗(ふくさ)

お茶のもてなしをする亭主や半東(はんとう)は腰に帛紗を身につけていますが、表千家と武者小路千家では、男性は紫色で女性は朱色と定められています。

一方、裏千家では使う帛紗の色は、男性は紫色で女性は赤色です。

どの流派も無地のものを使用します。

 

お辞儀

  • 表千家:男性は両手を20cm位、女性は7~8cm位開けて八の字に手をつき、横から見て30度くらい体を曲げてお辞儀をします。

  • 裏千家:手のつき方は表千家と同じですが、お腹が膝に着くほど丁寧な「真」、前に体をかがめる位の「行」、手をついて軽くお辞儀をする程度の「草」の3種類に分けることができます。

  • 武者小路千家:男女とも左手が前になるよう膝の前で軽く合わせてから 指先を膝前の畳に軽く付け、背筋を伸ばしてお辞儀をします。

 

座り方

  • 表千家:正座をしたとき、男性は安定する広さに両膝を開け、女性はこぶし1個分位膝を開けて座ります。

  • 裏千家:男性はこぶし2個分位膝を開けて座り、女性は表千家と同じようにこぶし1個分位膝を開けて座ります。

  • 武者小路千家:表千家・裏千家に比べると膝の間隔が狭く、男性はこぶし1個分位、女性は膝を開けずに座ります。

 

菓子器

表千家と武者小路千家では、蓋つきで菓子が見えない菓子器を用いますが、裏千家では蓋が付いておらず菓子が見えるものを使います。

 

お茶

表千家と武者小路千家ではお茶をあまり泡立てませんが、裏千家ではお茶をよく泡立てるため、口当たりがふわりとしたお茶になります。

 

まとめ

茶道の作法は流派によって微妙に異なりますが、地域のイベントなどで開催される茶席に参加するときは相手の流派にこだわる必要はないといわれており、お茶やお菓子をいただく手順や、畳の縁を踏まないといった基本的な作法さえ守っていれば特に問題ないでしょう。

「茶席に参加する礼儀として作法を知っておきたい」というときは、一般的に普及している裏千家の作法を身につけておくとよいでしょう。

また、茶席に参加したり、ドラマなどで茶席のシーンをみたりしたときは、作法から流派を推測するのも面白いかもしれませんね。

 

 

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