九谷焼(くたにやき)の人間国宝として知られる陶芸家は?人物の歴史・九谷焼の特徴ガイド
九谷焼と九谷焼の人間国宝をご紹介します。
石川県の磁器「九谷焼(くたにやき)」

九谷焼(くたにやき)とは、石川県で生まれた日本を代表する色絵磁器です。
鮮やかな色彩と大胆で華やかな絵付けが特徴で、古くから美術品・工芸品として高く評価されてきました。なかでも、人間国宝に認定された陶芸家の作品は評価が高く、現在でも多くの愛好家やコレクターに親しまれています。
この記事では、九谷焼の特徴や歴史、人間国宝として知られる陶芸家についてわかりやすく解説します。
九谷焼の人間国宝として知られる2名の人物
吉田美統(よしたみのり)
吉田美統は、1932年に石川県小松市の作陶を生業とする家に生まれた陶芸家です。
高校在学中から陶芸技法を学び始め、卒業後の1951年に家業である錦山窯の三代目となりました。九谷焼の伝統技法である「赤絵金襴手(きんらんで)」などを学び、九谷の伝統的な絵付け等の技法を習得しました。
その後、竹田有恒によって確立された「釉裏金彩(ゆうりきんさい)」の技法をさらに発展させました。これは、釉薬の下に金彩を施す高度な技法で、柔らかく上品な輝きを生み出すことが特徴です。
さらに、九谷伝統の色絵具をかけた素地を本焼きして地色とした上に、二種類の金箔を文様に切り取ったものを載せて焼き付けたりといった、独創的な表現でも高い評価を受けました。
こうした功績から、釉裏金彩の第一人者として、2001年7月12日に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
三代目 徳田八十吉(とくだやそきち)
三代目 徳田八十吉は、1933年に九谷焼の陶工・徳田八十吉(初代)の孫として生まれました。
金沢美術工芸大学短期大学工芸科陶磁専攻を中退後に、初代や二代目のもとで技術を学び、1988年に三代目を襲名します。
徳田八十吉の作品は、釉薬によって生み出される鮮やかな色彩が特徴です。
特に、深みのある群青色を用いたグラデーション表現のみで作品を仕上げる技法「彩釉(さいゆう)」は非常に高く評価されており、九谷焼の新たな表現を切り開いた存在として知られています。
1991年には第11回日本陶芸展で、大賞・秩父宮賜杯を受賞しました。
その後も海外で多くの作品を発表し、国際的にも高い評価を得ました。また、古九谷の学術研究にも尽力しており、九谷焼文化の発展にも大きく貢献しています。
1997年6月6日、重要無形文化財「彩釉磁器(さいゆうじき)」の保持者として、人間国宝に認定されました。
九谷焼の歴史
石川県で発展した色絵磁器
九谷焼は現在の石川県加賀市にあたる大聖寺藩領の「九谷村」で、良質の陶石が発見されたのを機に作られるようになった磁器です。
17世紀以降に焼かれた「古九谷」は、日本で作られた色絵磁器の中でも特に品位風格高く、有田の柿右衛門、古伊万里、色鍋島や京都の仁清などと共に高く評価されています。
しかし、華やかな展開を見せた古九谷は、元禄時代に入ると廃絶し、110余年ほど歴史の表舞台から姿を消しました。
再興九谷の誕生
文化年間になると、加賀藩は産業奨励・失業者救済の目的で金沢市春日山に築窯しました。
これを機に若杉窯・小野窯・吉田屋窯・永楽窯など、新しい窯が次々に興り、九谷焼は産業的に発展しながら再興することとなります。
この頃の九谷焼は「再興九谷」と呼ばれ、窯ごとに異なる画風を持っているのが特徴です。
世界に広がった九谷焼(ジャパン・クタニ)
幕末から明治時代になると、九谷焼はさらに独自の発展を遂げます。
洋絵具を取り入れて中間色を出すことに成功し、多彩な色を駆使した「彩色金襴手」という絵付が確立されました。
その華やかさは海外でも高く評価され、「ジャパン・クタニ」の名で世界的に知られるようになります。現在でも九谷焼は、日本を代表する色絵磁器として高い人気を誇っています。
九谷焼の特徴
鮮やかで力強い絵付け

九谷焼の特徴は、なんといっても鮮やかで力強く、絵画的な絵付けにあります。
なかでも、古九谷は中国の「景徳鎮」の影響を受けつつも、同時期に活躍した狩野派や琳派の技法を取り入れた絵付けがされており、非常に華やかで美しい作品が多くなっています。
器全体を大きく使った構図や、力強い色彩表現は九谷焼ならではの魅力といえます。
代表的な絵付け技法
色絵・五彩手
黄・緑・紺・紫・赤の九谷五彩を用いて描く、代表的な技法
青手
青を基調として緑、黄色、紺、紫を使い、磁器の全面をうめつくすように絵付けする技法
赤絵・金襴手
赤を主体に金彩を加えた豪華な技法
人間国宝作品の価値と魅力
人間国宝の作品は、技法・芸術性・希少性の高さから、美術品として非常に高く評価されています。
特に吉田美統の釉裏金彩作品や、三代目徳田八十吉の彩釉磁器作品は、国内外に多くのコレクターが存在します。
また、現代の九谷焼作品も人気が高く、作家や作品によっては骨董市場や美術市場で高額で取引されることもあります。
九谷焼は色彩や豪華さが魅力の陶磁器です
鮮やかな色彩と煌びやかなデザインが特徴の九谷焼は、皿や器だけではなく、アクセサリーなどにも用いられ、現在も幅広い層から人気を集めています。
古九谷や再興九谷といった歴史のある作品はもちろん、現代の作品にも魅力的なものが多いので、機会があれば鑑賞してみてはいかがでしょうか。
骨董品の査定・買取もお気軽にご相談ください
九谷焼はコレクションとしても人気が高い作品です。特に人間国宝作品や有名窯の作品、古九谷・再興九谷などは高く評価されることがあります。
また、作者が分からない・箱がないといった場合にも価値が残っている場合がありますので、ご自宅に古い九谷焼作品がある場合は、一度価値を確認してみるのもよいかもしれません。
ゴトー・マンでは、九谷焼をはじめとした骨董品・美術品を一点ずつ丁寧に査定しております。ご自宅に眠っている骨董品がございましたら、処分する前に一度お気軽にご相談ください。





