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価値ある漆器をより長く楽しみたい。漆器の扱い方と手入れ方法について教えてください。

漆器の扱い方と手入れ方法をご紹介します。

漆器の扱い方と手入れ方法

漆器というと「扱い方が難しい」というイメージを持っている人も多いかもしれません。

陶器に比べると軽くて薄い漆器は、繊細な印象が強く「すぐ壊れてしまいそう」な雰囲気があります。

しかし実際は、酸やアルカリに強く、割れにくくて丈夫で、意外と扱いやすい器です。

 

漆器の扱い方

酸やアルカリに強い漆器ですが、紫外線には弱く、直射日光に当たると変色や劣化を招いてしまいます。

また、急激な温度変化や極端な乾燥・湿気の環境も苦手です。漆の塗膜だけではなく、素材である木が傷む原因にもなります。

漆器を保管するときは、直射日光を避け、気温や湿度の変化が少ない風通しのよい場所に保管しましょう。

また、漆器に温度が高い汁物や熱湯を注ぐと変色することがありますので、汁椀などとして使用するときは適度に冷ましてからよそうとよいでしょう。

漆器表面についている漆の塗膜は硬くて丈夫ですが、固いものや尖ったもので傷つくことがありますので注意してください。

漆器の上に陶器や磁器など、固い物を重ねて保管すると漆器が傷つく可能性があるので避けましょう。

漆器と漆器を重ねて保管するときは、間に紙を挟んでおくと傷防止になります。

また、塗膜が剥がれたり、割れたりした状態で使用すると、油や水分が器の素材に染み込んでしまいます。

塗膜は塗り直しすることで修復できますが、素材は修理できませんので、塗膜に傷などがあるときは使用を避け、修理を依頼するとよいでしょう。

 

漆器の手入れ方法

漆器の手入れは特別難しいものではなく、一般的な食器と同じように水やぬるま湯、中性洗剤を使用して洗うだけでかまいません。

また、スポンジの硬い面を使って強くこすったり、スチールたわしなどで洗ったりすると傷が付くことがありますので、柔らかいスポンジや布を使って優しく洗うようにしましょう。

つけ置き洗いをするときは、器の内側だけに水を張り、全体を水に浸けないようにしてください。また、長時間のつけ置きは避けましょう。

蒔絵や象嵌などの細工が施されている漆器はとくに傷つきやすいため、注意して洗ってください。

水滴がついたまま放置していると水あとがシミになることがありますので、柔らかい布を使って乾拭きをしてください。

 

食器洗い乾燥機や電子レンジの使用について

漆器は急な温度変化や乾燥を嫌いますので、食器洗い乾燥機や電子レンジは基本的に使えません。

ただし、近年は素地がプラスチック製の漆器や、漆ではなく樹脂製を使っている漆器もあり、製品によっては食器洗い乾燥機などを使える場合もあります。

「使えるかどうかわからない」というときは、使用しないほうがよいでしょう。

 

まとめ

使ってみると意外と扱いやすい漆器は、お正月シーズンだけではなく普段使いにも適した器です。

きちんと手入れすれば何年も使うことができますので、長く大切に使っていきたいですね。

 

 

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