皇室下賜品とは何ですか?またその特徴と価値はどれくらいですか?。
皇室下賜品の特徴と価値をご紹介します。
皇室から賜る「皇室下賜品」
皇室下賜品(こうしつかしひん)とは、皇室や宮家に対して功績があった場合や、皇室のためにお勤めをしたときに賜る品のことです。
現在、もっとも身近な皇室下賜品は、皇居・赤坂御所の清掃ボランティアに参加したときに賜ることができる「和菓子」です。
また、新天皇即位のときや天皇家に婚礼があったときなど、慶事のさいに配布されこともあります。
皇室下賜品の特徴
現在は皇室下賜品を賜る機会は少なくなりましたが、戦前は皇室下賜品を賜る機会も多く、シガレットケース、ボンボニエールのほか、花瓶、杯、懐中時計など、さまざまな品が下賜されました。
煙草や和菓子のような消耗品以外は、名工の手による銀製品が多く、16枚の花弁を持つ「菊の紋」が刻印されています。
また、戦前の下賜品は贈答用に特注されていることもあり、品質・希少価値共に高くなっています。
さらに、官立学校の優等卒業生などに対して下賜された「恩賜(おんし)時計」は時計の裏ぶたに「御賜」や「賜」を刻印されています。
初期に下賜された恩賜の時計はウォルサム、エルジン、ゼニスといった海外製の時計でしたが、1907年からは日本のセイコー社の時計が使われるようになりました。
恩賜時計の一部を除き、皇室下賜品は国産、国内の職人による作品となっています。
海外からも評価が高い「ボンボニエール」
慶事の際に配布される皇室の「ボンボニエール」は、芸術性の高さ、凝られた意匠、緻密な技術から海外からの評価も高く、皇室下賜品の代名詞的な存在です。
皇室でボンボニエールが作られるようになった経緯は詳しくわかっていませんが、子供の誕生や結婚式などの祝事の際に砂糖菓子(ボンボン)を配るというヨーロッパの風習を取り入れたことが始まりだといわれています。
シンプルな円形に鳳凰や鶴亀といった吉兆モチーフが彫られたボンボニエールのほか「かご」や「宝船」の形をしたボンボニエールも作られました。
皇室下賜品のボンボニエールをコレクションしている人も多く、状態や配布数などによって価値は変わるものの、数十万円の値段がつくボンボニエールもあります。
シガレットケース
皇室はこれまで、皇居の清掃ボランティアなどへのお土産や謝礼品、戦時中は軍人に対して煙草を支給するなど、下賜品として煙草を使用してきました。
しかし、喫煙の健康被害への意識の高まりなどもあり、現在は下賜品として煙草が使われることもなくなりました。
恩賜の煙草同様、煙草を入れる「シガレットケース」も下賜されており、銀製のシガレットケースのほか、黒い革張りのシガレットケースなどが下賜品として作られていました。
シンプルで簡素なデザインであり、ボンボニエールに比べると取引価格は低くなっていますが、今後は希少価値が高まっていくことが予想されます。
まとめ
日本の伝統技術や国内産業を保護し、育成する役割も持つ皇室下賜品は、質や希少価値が高く、なかでも戦前の下賜品は高額査定となることがあります。
しかし、リサイクルショップなどでは「単なる銀製品」として扱われてしまうことが多く、傷などの状態と重さだけで価値が決められがちです。
皇室下賜品の売却を検討中の方は、弊社にご相談ください。