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弘法大師空海と密接な関係があると言われている、密教美術とはどんなものですか?

密教美術とはどんなものか、ご紹介します。

そもそも密教とは

密教という言葉を聞いたことがある人は多いと思いますが、仏教の一派であるということ以外、密教について知らないという人も多いのではないでしょうか。

仏教は紀元前5年ごろにインドで開かれて以来、アジア全域に大きく広がっていきました。

そのうち仏教は、ブッダの教えを守り、修行して成仏することができるという考えの「上座部仏教(小乗仏教ともいう)」と、ブッダの思想に基づいて善行を行えば誰でも成仏できるという考えの「大乗仏教」に分かれ、大乗仏教はさらにさまざまな宗派に分かれます。

密教は、大乗仏教の中でもヒンドゥー教の「タントラ派」の影響を大きく受けた宗派で、浄土宗などのほかの宗派とは違った特徴を持っています。

 

密教の特徴

密教以外の宗派は「衆生が僧をとおして仏教の思想を学ぶこと」に重点を置いているのに対し、密教は「僧が仏と一体になり、菩薩として衆生を救うこと」に重点を置いています。

そのため、密教は「大衆に向けて経典を広める」ということがなく、文字による経典ではなく、仏の世界を描いた「曼荼羅(曼陀羅)」や口伝、手の形で仏思想を伝える「印相」、さまざまな儀式といった形で教えを継承してきました。

密教では「お経」ではなく、「おん あみりた ていせい から うん」など、仏ごとに異なる「真言」を唱えます。

もともとはインドのサンスクリット語のマントラを日本語の発音に当てはめて作った真言は「梵字」という文字で表記されることもあります。

 

密教美術

密教は絵や儀式を通じて教えを継承してきたので、さまざまな美術品を輩出しています。

 

曼荼羅(まんだら)

本尊の周りに関連がある諸尊や守護などを円や四角の区画に配置し、密教の経典を絵で表現した曼荼羅は、最も人気が高い密教美術品です。

鮮やかで豊かな色彩で描かれた緻密な作品の数々は、仏教美術に関心がない人でも惹きつけられる奥深い魅力を持っています。

 

密教法具

古代インドの生活用品や武器を元に作られた、密教の儀式に使われる数々の法具は、独特の形と厳かで美しい装飾が魅力の密教美術品です。

密教法具は、煩悩を打ち破る金剛杵(こんごうしょ)、輪宝(りんぼう)、羯磨(かつま)、眠れる仏性を呼び起こす金剛鈴(こんごうれい)のほか、祈祷のときに使う護摩壇や諸尊の供養に使う供養具などがあります。

 

日本以外の密教美術品

密教は日本以外にもチベットやネパールでも伝えられており、さまざまな密教美術品が作られています。

チベット密教の密教美術品であり、生活用品の一部でもある「マニ車」や、仏教に関する人物や曼荼羅を描いた「タンカ」、日本の金剛杵と金剛鈴にあたる「ヴァジュラ」と「ガンター」など、日本の密教とは一味違う魅力を持っています。

 

まとめ

密教の美術品は、密教が持つミステリアスな雰囲気や、仏教でありながらヒンドゥー教の影響を色濃く残した装飾性など、独特で奥深い魅力を持っています。

熱狂的なファンも多く、曼荼羅やタンカを収集している愛好家もいますので、状態のよい密教美術品は思わぬ高値がつくこともあります。

お手元に売却を検討している密教美術品がある場合は、弊社にご相談ください。

 

 

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