鋳金(ちゅうきん)の作品はどんな作家のものでしたら、買い取ってもらえますか?
買い取りできる鋳金(ちゅうきん)の作品の作家をご紹介します。
鋳金とは
鋳金とは、砂などで作った鋳型(いがた)と呼ばれる型に溶けた金属を流し込み、冷やして鋳型から取り出した後、研磨などをして表面を仕上げる金属工芸で、古代の銅鐸や鏡などの青銅器や、仏像などの像、湯釜や鉄瓶、花器、水差しなどの制作に用いられる技術です。
鋳金作家の一例
津田信夫(つだしのぶ)
津田信夫は、東京美術学校で鋳金を学んだあと、卒業後は同校の助教授として日比谷公園噴水やアーク燈、日本橋の装飾など、多くの公共施設の装飾を手掛け、近代的な都市づくりに貢献した日本の代表的な鋳金家です。
高村豊周(たかむらとよちか)
仏師である高村光雲の三男であり、歌人として有名な高村光太郎の弟でもある高村豊周は、日本を代表する鋳金芸術家の津田信夫に入門した後に、東京美術学校鋳造科本科で鋳金の技術を習得。
師である津田信夫の影響を受け、高度な技術を駆使した西洋のモダンな造形を取り入れた、独自の焼き色を見せる朱銅の作品を制作し、これまでの鋳金界にはない作風を確立しました。
伝統を重んじる鋳金界に大きな影響を与え、人間国宝の欽定を受けている鋳金家です。
秦蔵六(はたぞうろく)
古代中国技術を模した青銅器を多く手掛ける金工の名門家で、初代から100年以上の歴史を持つ「秦蔵六」の作品は、素晴らしい彫刻や金箔があしらわれるなど、特徴的なデザインを持つ作品が多く、中でも、個性的な色彩と、滑らかな表面の質感を持つ四代目「秦蔵六」の作品は、多くのコレクターを魅了しています。
佐々木象堂(ささきしょうどう)
古くは仏像の鋳造に用いられ、複雑な形状の作品を製造できる「蝋型(ろうがた)鋳造」の技術をベースに、西洋のアールヌーボー様式を取り入れた花瓶、香炉のほか、天女、鳥、水生生物をモチーフとした置物など制作した佐々木象堂は、「蝋型鋳造」で人間国宝の認定を受けている作家です。
横倉嘉山(よこくらかざん)
山形県山形市周辺で生産されている日本の伝統的工芸品「山形鋳物」の作家である横倉嘉山は、端正な肌が特徴の鉄製の茶器や湯釜を作名人として知られ、1972年に山形市の依頼で、皇太子殿下御夫妻に献上の茶の湯釜「肩衝紅花釜」を製作したことで知られています。
まとめ
紀元前3000年ごろから使われ始めたといわれる鋳金の技術は、武器、農具、生活用品のほか、仏像や装飾品など、幅広いジャンルに用いられており、作品も作家も数多く存在します。
今回ご紹介した作家は一例ですので、売却を検討している鋳金があるときは、上記の作家以外の作品でもお気軽にご相談ください。