日本の焼き物の陶器と磁器の違いや特徴を教えてください。
日本の焼き物の陶器と磁器の違いや特徴についてご説明します。
日本の焼き物について
日本の焼き物の歴史は古く、縄文時代の土器が始まりと言われています。
土器は粘土を成形し、釜を使わず野焼きにして作ることから、陶器のルーツといえます。
日本の陶器はその後、朝鮮や中国の技法などを取り入れながら成長し、茶の湯の発展と共に「茶器」という焼き物の一大ジャンルが花開きました。
一方、磁器の歴史は陶器に比べると浅く、江戸時代から作られるようになったと言われています。
あでやかな絵付けや金彩が施された、日本の伊万里焼や有田焼はヨーロッパに輸出され、洋食器の華やかなデザインに影響を与えました。
陶器と磁器の違いとは
日本には、萩焼、楽焼、唐津焼に代表される茶器はもちろん、花瓶やトイレなどの日用品にいたるまで、さまざまな種類の「焼き物」があります。
この「焼き物」には、大きく分けて「陶器」と「磁器」の二種類があり、それぞれ、材料や焼き方に違いがあります。
陶器とは
- 材料:陶土(粘土)に珪石(けいせき)や長石などを混ぜたもの。
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焼き方:釉薬をかけて800~1300度の温度で焼成。
粘土を材料とする陶器は、土らしい温もりと柔らかさがの感じられる、素朴な印象が魅力です。
低めの温度で焼くため、素地が焼き締まりきっておらず、多孔質で吸水性があります。
釉薬がかかっている部分は耐水性がありますが、釉薬がかかっていない部分や釉薬をかけずに焼いた「素焼き」の物陶器は吸水性があるため、きちんと乾燥させてから保管しないとカビの原因になります。有機物を含む「土」からできているため、素地の色は茶色から褐色をしています。
磁器とは
- 材料:陶石(石英や長石)を砕いたものと粘土を混ぜ合わせたもの。
- 焼き方:釉薬をかけて1300度前後の温度で焼成。
砕いた石を材料とする磁器は、ガラスのように光沢があり滑らかな質感で、涼しげで繊細な印象が魅力です。高温で焼かれるため、十分に焼き締まり、吸水性はほとんどありません。
また、陶器に比べると硬く、薄く成形できることから軽い器を作ることができます。
陶器との大きな違いは、叩くと金属のような音がすることや光を少し通すことです。
「石」からできているため、素地はだいたい白一色ですが、顔料による絵付けや金彩が施されているカップ、皿も多く、華やかな印象の磁器も数多くあります。
まとめ
陶器と磁器の違いや特徴をご紹介しました。
陶器と磁器の大きな違いは、原料が異なります。また、厚さも違うので、触ってみて薄手のものが磁器だと判断できます。
日本の焼き物の歴史は古く、昔から親しまれていますが、陶磁器の陶器と磁器の違いや特徴をしっかり理解されている方は多くありません。陶磁器は茶の湯との関係が深いため、名品と呼ばれるものも少なくありません。
日本の陶器や磁器の価値は、見ただけではなかなか判断が難しく、知識がない業者に買取依頼をすると、実際の価値より低く判断されてしまうことがあります。
お手元に陶器や磁器をお持ちの方は、買取の際はお気軽にご相談ください。