陶器と磁器のそれぞれに合ったお手入れポイントとは?
陶器と磁器のそれぞれに合ったお手入れポイントについてご説明します。
押さえておきたい、陶器と磁器のお手入れポイントとは
私たちが日常的に使う食器や花瓶などに使われている陶器や磁器は、どちらも「焼き物」「陶磁器」と呼ばれ古くから親しまれています。
日本の陶器や磁器は、縄文式土器に始まり、時代ごとに実用品としてだけではなく、美術的にも優れた茶器・皿・花器が作られ、骨董品としての価値が高いものも多く作られています。
骨董品として価値がありそうな陶器や磁器をお持ちの場合は、その価値を保つためにもそれぞれに合ったお手入れをする必要があります。
陶器と磁器の違いと特徴
陶器と磁器は、どちらも「焼き物」といわれ、二つを合わせて「陶磁器」と言います。まずは、それぞれの特徴についてご紹介します。
陶器について
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原料:陶土(粘土)に、珪石(けいせき)や長石を混ぜ合わせたもの。
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焼成温度:800~1250度程度。
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特徴:暖かみのある質感で、柔らかく、素手で触ると土らしいぬくもりを感じることができる。
一方、シミや匂いがつきやすく、壊れやすい。
磁器について
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原料:陶石(石英や長石)を砕いたものと粘土を混ぜ合わせたもの。
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焼成温度:1300度前後。
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特徴:陶器に比べて硬く丈夫で吸水性がなく、滑らかな質感。
透かしてみると光を通し、指先ではじくと「キーン」という金属的な音がする。
陶器のお手入れポイント
陶器は多孔質で水分を吸収しやすいため、湿気や水分を特に嫌います。
汚れの程度がひどくない時は、乾いた柔らかい布、または軽く濡らした布で汚れを拭きととり、汚れがひどい時は手早く水やぬるま湯で洗った後、布で拭いてしっかり乾燥させてから収納します。
水が染み込むと抜けにくいため、つけ置き洗いは絶対にしてはいけません。カビの原因になります。
磁器のお手入れポイント
磁器は、陶器に比べると吸水性が低く丈夫です。
陶器ほど繊細ではありませんが、湿気や水分はシミなどの原因になります。水気は、布で拭き取るかきちんと乾燥させてから収納しましょう。
基本的なお手入れ方法は陶器と同じですが、磁器には絵柄がついています。中でも金銀の絵柄がついている磁器は、絵柄が剥げてしまったり、傷が付いたりする恐れがあるため、お手入れの際は強くこすらないよう注意してください。
まとめ
陶器と磁器の共通のお手入れのポイントは「なるべく水にさらさない」「洗うときは濃度の薄い中性洗剤を使う」「強くこすらない」ことです。
この3つのポイントに注意して、お手入れや保管を行うことで、大切な陶器や磁器をカビ・変色・傷などから守ることができます。
また、食洗器、漂白剤、クレンザーなどを使用するのは極力避けましょう。強い水流や薬品の刺激は、大きな傷や変色の原因となります。
正しくお手入れや保管をすることで、陶器や磁器の美しさを保つことができ、もし手放したいと思った時にも高価買取が期待できます。