日本刀の手入れと保管方法を教えてください。
日本刀の手入れや保管時に注意する点をお伝えします。
きれいな状態を保っていただくと、骨董品としての価値もあります。
適切な手入れをし、お伝えするポイントを意識して保管をしましょう。
日本刀の手入れの方法
日本刀は鉄製品であるため、手入れを怠るとサビの発生原因になります。
また、手入れをする道具はきれいな状態を保ちましょう。
拭い布や、拭い紙に硬いゴミやホコリが付着していた場合、また刀身に塵が付着していた場合などに気づかずに拭いてしまうと、刀身に筋状の擦れ跡がついてしまいます。
この傷にも気をつけましょう。
手入れとしては、刀身に油を塗り、空気と接触しないようにすることで、サビが生じることを防ぎます。特に研ぎ上げた直後は錆びやすいので、半年間ほどは月に一度、油を引き換えるようにしましょう。
古い研ぎの場合は、時が経つと油は乾いてしまいますので、1年のうち春秋の2度くらいは手入れをしましょう。
万が一錆びてしまった場合は、ご自身で対応せずに、プロの研師にご相談してください。
日本刀の保存方法
日本刀の保存で気をつけることは、錆びさせないこと、疵をつけないことです。
1.鞘に絵も気を配ろう
手入れをして、油が乾かないようにしていても、錆びることがあります。
多くの場合「鞘当たり」と言い、刀身が鞘に接触しているために発生します。
この場合は鞘が悪いので、鞘師に相談してください。
また、古い鞘の場合は、鞘の内部にサビや汚れが残っていて、そこから錆びることもあります。
残念ですが、鞘を新調しなければなりません。
2.白鞘に入れよう
元来拵えはよそ行きの着物で、白鞘は普段着なのです。昔は、白鞘のことを「休め鞘」「油鞘」などと言いました。白鞘はサビが出たら直ちに割って中を掃除することができますが、拵えはそうは行きません。なにもないときは白鞘に入れて保管しましょう。
3.刀身は湿度の低いところで、横にして保管しよう
刀身を立てて保存してしまうと、先の方に油が流れて溜まってしまいます。
湿度の低いところに、横にして保管しましょう。
桐の着物箪笥等は理想的ですが、その場合、樟脳やナフタリンは避けましょう。
サビの原因となります。
4.拵えは湿度の低すぎないところに保管しましょう
刀身とは逆で、拵えの保管にはあまり湿度が低いところは適しません。
保管場所を吟味しましょう。