竹根とは何ですか?
竹根についてご紹介します。
竹細工の一つ
竹根は竹細工の一つで、文字通り竹の根の部分を使用しています。
竹の節の部分は細い「ひご」などに加工して使用することがありますが、根の部分は「ひご」などにはせず、そのまま彫刻を施したり、半分に割ったりして使われます。
竹根の特徴
竹根は太い幹状の部分から細い根が多数出ています。細い根をカットすると、表面に斑点のような模様が残るほか、表面のごつごつした風合いが特徴的です。
表面が平らでまっすぐな節部分と比べると、竹根の形や表面はバラエティに富んでおり、竹根工芸品も竹根が持つ形の面白さや個性を活かした作品が多くなっています。
竹根細工には中国製と日本製の2通りがありますが、日本の竹根工芸品はシンプルであるのに対し、中国の竹根工芸品は単に竹を切ってコップなどにしたというだけではなく、精緻な彫刻がしてある芸術的価値の高い工芸品がか数多く見られます。
竹根は一般的な木に比べると硬いため、工芸品に加工するには高い技術力が必要になるほか、一つの作品を作るまでに時間を要します。太い竹根を使用した置物などは、完成までに数年かかることも珍しくありません。
加えて、竹根は一般的な丈の節部分にくらべて入手できる量が少ないこともあり、竹根工芸品は流通量が少なく、現在は入手困難になっています。
竹根の歴史
竹細工の多くは中国から伝えられており、竹根細工もその例外ではありません。
中国で竹細工・竹根細工が始まったのは、西暦226年の六朝時代からで、唐時代にはすでに多くの人へ広まったといわれています。
竹細工・竹根細工の技術が日本に伝わったのは奈良時代~平安時代で、竹根を使った急須、コップ、竹根を二つに割った硯、仮面など、数多くの竹根工芸品が残っています。
彫刻が特徴となる中国の竹根細工は明〜清時代にかけて最盛期を迎え、人物、虎、そのほかの動物の形を模した置物や印章などが作られました。
また、日本では竹根鞭細工が発展し、乗馬鞭やステッキが作られ、一時期は海外へ輸出するほどの需要があったようです。
竹根の有名作家
竹根工芸品で有名なのは、中国の清代前期に活躍した封氏一門(封錫爵、封錫禄、封錫璋三兄弟とその子孫)です。
封氏一門による竹彫刻は非常に精巧で、とくに人物彫刻は鬼気迫る存在感があります。二代にわたって宮廷に仕え、竹だけではなく牙彫や木彫も手掛けていますが、残された作品はあまり多くありません。
まとめ
竹根工芸品は現在でも作られていますが、竹根を使った彫刻などは、加工が難しい、職人が減少しているといった背景から入手困難になっています。
なかでも、太い竹根を使った置物は価値が高く、彫刻が細かければ細かいほど価格が上がる傾向にあります。