人気の刀剣だが、何が違う？！保存刀剣と特別保存、重要刀剣の違いとは？

保存刀剣と特別保存、重要刀剣の違いをご紹介します。

日本刀の鑑定ランク

日本国内はもちろん海外でも人気がある日本の刀剣ですが、博物館などにある古い刀剣を見ると「保存刀剣」「特別保存刀剣」「重要刀剣」といった種類が書かれていることがあります。
これは、国が指定する重要文化財や国宝といった指定とは異なり、日本美術刀剣保存協会などの審査機関が発行する鑑定書に基づいたランクで、「保存刀剣」「特別保存刀剣」「重要刀剣」「特別重要刀剣」の4つに分類されています。
今回は、刀剣の鑑定ランクの違いについてご紹介します。

保存刀剣とは

保存刀剣は鑑定ランクの中で最も一般的なランクです。南北朝時代から明治時代までの日本刀がこのランクに該当し、なかでも、銘が正確な品、有名な刀匠の作品、無銘であっても年代や国、系統がある程度正確にわかる品が保存刀剣に分類されます。また、保存状態が良く美観が損なわれていないことも重要なポイントです。

特別保存刀剣とは

特別保存刀剣は保存刀剣に該当する刀剣の中でも特に出来が良く保存状態も良好な日本刀に付けられるランクです。保存刀剣の上位という位置づけであるため、時代区分は南北朝時代から明治時代までで、銘が正確な品、有名な刀匠の作品、無銘であっても年代や国、系統がある程度正確にわかる品という条件は保存刀剣と同様です。
なお、刀剣自体の出来が良くても保存状態が悪く美観を損ねていると特別保存刀剣にはなりません。

重要刀剣とは

重要刀剣は平安時代から江戸時代にかけて作られ、保存状態が良く素性がはっきりしている刀が該当します。南北朝時代以前の刀は現存数が少なく、その中でも保存状態が良い品となると希少性が高くなります。保存刀剣や特別保存刀剣よりも貴重な品となります。
また、江戸時代以前の刀剣は実戦武器として用いられてきたため傷のある品が多く状態が良い品は稀です。なかでも、名工が鍛えた江戸時代以前の刀剣となると、傷などがなく美しい状態を保っているものは稀となりますので特別保存刀剣よりも貴重な重要刀剣となる可能性が高くなります。
重要刀剣に分類される刀剣は国が指定する重要美術品に準ずる品といわれており、非常に価値が高い品となります。

まとめ

保存刀剣、特別保存刀剣、重要刀剣の違いは、その品の出来の良さ、保存状態、作られた時代などによって決められます。ランクが高くなるほど希少性も高く、買取などでは高値がつきますが、もっとも低いランクである保存刀剣であっても美術品的価値が認められた品であるため、作者などによっては高い価値が付くこともあります。
なお、保存刀剣、特別保存刀剣、重要刀剣のランクは美術品として刀剣の価値を判断した場合のランクであるため、斬れ味や文化財的な価値とは比例しないこともあります。