初期ファイアンスフィーヌ(Faience Fine)など、西洋アンティーク皿の魅力と買取り相場について。
西洋アンティーク皿の魅力と買取り相場をご紹介します。
根強い人気がある西洋アンティーク皿
陶磁器というと伊万里や景徳鎮、李朝など、東洋の骨董焼物が人気を集めていますが、ファイアンス焼やマヨルカ焼、デルフト焼など西洋の陶磁器も根強い人気があります。なかでも、18世紀・19世紀などの比較的新しい西洋アンティークは芸術性の高さから人気が高く、西洋アンティークの皿を専門に集めているコレクターも存在します。
西洋アンティークの皿にはどのような魅力があり、相場はどの程度なのでしょうか。
西洋アンティーク皿の魅力
「西洋アンティーク皿」というと、それ自体が一つの様式をさしているような印象を受けますが、西洋という言葉にはイタリア、フランス、ドイツ、イギリス、オランダなどさまざまな国が含まれており、それぞれの国のなかにはさまざまな地域や都市が存在し、地域ごとに異なる陶磁器が作られているため、様式や特徴などはさまざまです。
しかし、古くから文化交流や交易が盛んだった西洋では、一つの地域で優れた品が作られると、その技法や製法が各地に広がって独自性のある新しい品が作られるという形で発展することが多いため、同時代に作られた品は異なる地域のものであっても共通点があります。
この、同時代に作られた多くの品と共通点がありながらも、地域や窯「ならでは」の独自性が感じられるという点は、西洋アンティーク皿の魅力の一つです。
また、西洋アンティーク皿は中国の磁器を手本として発展したものが多く存在しますが、磁器の製法は謎に包まれていただけではなく、材料の入手ができないなどの理由から中国磁器のような白く輝く磁器を作ることができませんでした。
そのため、中国磁器のような繊細さや輝くような美しさを陶器で表現するための研究が重ねられ、その結果、豊かな色彩を用いた華やかで繊細な絵、彫刻などと組み合わせた立体的な装飾、陶器の質感を活かした温もりのある肌など、中国磁器とは異なる特徴・魅力が生まれました。
西洋特有の文様や各地の歴史、宗教や神話などに根付いた絵柄などが楽しめるのも西洋アンティーク皿の魅力です。
相場
西洋アンティーク皿は、作られた時代、地域や窯などのほか、希少性や市場での人気などによって相場が変わるため、一概に「取引価格はこの程度」ということはできません。
たとえば、金彩や絵付けなどが施されていない、日常使い用のシンプルなお皿であれば数百円から数千円程度で取引きされることが多いのですが、19世紀のフランスでごくわずかな期間しか作られなかった初期ファイアンスフィーヌなどは希少性の高さから数万円で取引されるなど、相場の幅はかなり広くなっています。
金彩や絵付けが施された品、有名な窯の品、特注品や限定品など、条件によっては高値がつくこともあります。
まとめ
東洋の焼物とは異なる魅力を持つ西洋アンティークの皿は、正確な価値を判断するのが難しく、知識や経験が不足している業者に売却すると実際の価値に見合わない低い価格で買い取られる可能性があります。特に、シンプルなデザインの品や有名な窯以外で作られた品などは価値の見極めが難しいので、売却の際は西洋アンティーク皿の取引実績が豊富な業者を選ぶとよいでしょう。