優しい色合いと耐久性でコレクターも多いヴィンテージ・ファイヤーキング。制作時代の見分け方と売買相場について。
ヴィンテージ・ファイヤーキングついてご紹介します。
アメリカ生まれのファイヤーキング
ファイヤーキングはホッキンググラス社が1941年に創設した耐熱ガラス容器のブランドで、1976年まで生産されていました。
ガラス原料に乳白色の材料を練り込んで作る「ミルクガラス」を使った温かい質感と柔らかい色合い、ぽってりとした丸みのあるフォルムが特徴で、古き良きアメリカの風情が楽しめるだけではなく、耐久性も高いことからコレクターにも人気があります。
制作時代の見分け方
ヴィンテージ・ファイヤーキングの食器はカップの底などに刻印されているロゴを見て制作時代を見分けることができます。
【1941~1945ごろ】
「初期刻印」や「ブロックレター刻印」と呼ばれる刻印で、ロゴなどは入っておらず、「FIREKING OVEN GLASS」という文字だけが刻印されています。
【1945~1951年頃】
「FIREKING」のロゴと「OVEN」「GLASS」の文字が刻印されています。これ以降は1977年ごろまで「FIREKING」のロゴが入るため、ロゴ以外の文字で判断しますが、この時代のものはロゴと「GLASS」の文字が入ることから「GLASS刻印」と呼ばれています。
【1952年~】
「GLASS刻印」の「GLASS」が「WARE」に置き換わった刻印で、「WARE刻印」と呼ばれています。
【1956~1960年中期】
海外に輸出されるようになったことから「WARE刻印」に「MADE IN U.S.A」の文字が追加されます。このことから「MADE IN U.S.A刻印」と呼ばれています。
【1960年代中期以降】
プラスチックメーカーと合併して社名が「アンカーホッキング」に変わったことから、「OVEN」の文字が消えて錨のマークと「ANCHOR HOCKING」の文字が追加されます。このことから「ANCHOR HOCKING刻印」と呼ばれます。
【1960年代後期~1970年代中期】
「ANCHOR HOCKING刻印」から「WARE」の文字が消え、代わりに「OVEN PROOF」や「DINNERWARE」など製品の用途が刻印されるようになります。「OVEN PROOF」と書かれたものが多いため、この時代の刻印を「OVEN PROOF刻印」と呼びます。
【1977~1984年】
1976年にファイヤーキングは実質終了となりますが、耐熱グラスの製造は1984年まで引き続き行われます。
この頃の製品は「FIREKING」のロゴが無いため「ロゴなし刻印」と呼ばれます。
ヴィンテージ・ファイヤーキングの相場
ヴィンテージ・ファイヤーキングの相場は、代表的なアイテムであるマグカップの相場が3000~8000円程度といわれていますが、初期刻印の品など希少価値が高い品はプレミアがついて数万円になることがあります。
また、ホワイトのほかにジェダイ(翡翠)、オレンジ、イエローなどのがあり、色によって相場が変わります。
まとめ
ミルクガラス製品はホワイトスポットと呼ばれるシミや、色ムラ、シワなどができることが多く、ファイヤーキングの場合は1960年代中期以前の品で特に多く見受けられます。
これらは、製造工程上できるミルクガラス製品の特性ですが、一見するとダメージのように見えるため、知識のない業者に売却すると低い価値をつけられる可能性があります。正しく価値を判断して欲しい場合は、実績や経験豊富な業者を選びましょう。