旧家の蔵で見つかった大量の吸物椀。高価買取条件は5つ。
吸物椀の高価買取条件ご紹介します。
吸物椀とは
吸物椀は名前の通り、お吸い物やみそ汁などの汁物を入れる蓋つきのお椀のことです。自宅に人を集めて正月の祝いや法事などの行事を行うことが多かった時代、吸物椀などの器を客人用として大量に所有していた家庭は多く、旧家の蔵を整理すると大量の吸物椀が見つかることがあります。
日常使いの器などとしてそのまま使うこともできますが、数が多いと使い切ることもできず、置き場所に困るということも多いようです。
大量の吸物椀を売却する際、どのような品であれば高価買取が期待できるのでしょうか。
作家もの
前大峰や松田権六、高野松山などの人間国宝や千家十職による作品は高価買取が期待できます。銘などで誰の作品であるか確認できる場合、特に高い価値がつく可能性があります。
骨董的な価値がある
戦前など比較的新しい時代の品でも、装飾の美しさや状態などによってそれなりの価値がつきますが、明治時代や江戸時代などの古い時代の品は骨董的な価値がつき、新しい時代の品よりも高価買取になる傾向があります。
また、著名人などから譲られた品や、歴史的人物をもてなすために使用された品など来歴によっては歴史的な価値がつくこともあり、さらなる高値を期待できます。
蒔絵などが施されている
蒔絵や螺鈿などの装飾や細工が施されている吸物椀は高価買取になる可能性があります。特に、装飾が精緻で工芸品としての価値が高い品は高値が期待できるでしょう。
一式揃っている
十客組などのセットの数が本体・蓋ともにすべて揃っている、吸物椀とセットになっている飯椀や折敷などが揃っている、共箱があるなど、数や内容がすべて揃っていると、数がそろっていないときや単体で売却するよりも高価買取ができます。破損した蓋や箱を査定に出すと価値が下がるのではないかという思いから処分したり、別の箱に入れ替えたりする方もいらっしゃいますが、数が足りなかったり共箱でなかったりすると、かえって価値が下がってしまいます。
コンディションが悪いものが含まれていても処分せず、そのまま揃えて査定に出しましょう。
状態がよい
ヒビや割れ、欠けがない、螺鈿や蒔絵などにキズや剥がれがなく、状態がよいことは高価買取の条件の一つです。査定に出す前に手入れを行い、きれいな状態にしておくと高値がつきやすくなります。
ただし、ヒビなどの傷は自分で補修しようとしてかえって状態を悪くしてしまったり、骨董的な価値を損なう原因になったりすることがあるため、補修は行わず、乾いた柔らかい布で拭いて汚れを取るだけなど、簡単な手入れのみにしておくとよいでしょう。
まとめ
吸物椀の価値は、状態や時代、誰の手によるどのような作品かなどによって決まります。作者不明の品や装飾がない吸物椀でも時代などによっては高価買取になることがありますので、まずは査定に出してみてはいかがでしょうか。