今さら聞けない。骨董品、ヴィンテージ、アンティークの違いは?
骨董品、ヴィンテージ、アンティークの違いをご紹介します。
どれも「古い物」をさす言葉
骨董品などを探していると「骨董」「アンティーク」「ヴィンテージ」という言葉が使われているのを見かけます。
いずれも「古い物」をさしているということは分かりますが、その違いはなんなのでしょうか。
「骨董」と「アンティーク」はほぼ同じ
アンティークは「骨董品」を意味する「antiquus」というラテン語が変化したもので、1870年ごろまでは「古代ギリシャ・ローマの遺物」をアンティークと呼んでいました。
しかし、現在は1934年に制定されたアメリカの通商関税法で制定された「製造時点から100年を経過した手工芸品、工芸品、美術品」を指してつかわれています。
日本語の「骨董品」もアンティークと同じ定義で使われており、アンティークと骨董品は基本的に同じ意味を持つ言葉といえます。
ただし、「骨董品」という場合は日本、中国、韓国など東アジアで作られた物を指すことが多く、「アンティーク」という場合はヨーロッパで作られた物を指すことが多いという違いがあります。
例えば、伊万里焼の皿には「骨董」が使われ「アンティーク」が使われることはほとんどありませんが、マイセンのカップは「アンティーク」と呼ばれるのが一般的です。
また、日本で作られた物は明治以前なら「骨董」明治以降なら「アンティーク」と呼ばれる傾向があります
例えば、江戸時代のからくり時計は「骨董」と呼ばれますが、明治時代に作られた懐中時計は「アンティーク」と呼ばれます。
さらに、骨董やアンティークという言葉には「100年以上経過したもの」という基準はあるものの、明確な基準ではないため「100年経過していないもの」がアンティークと呼ばれることがあります。
例えば、コレクターが多い「アンティークウォッチ(腕時計)」には手巻きと自動巻きの2種類がありますが、自動巻き腕時計が初めて発表されたのは1926年ですので、自動巻きの「アンティークウォッチ」は「100年経過していないアンティーク」です。
「ヴィンテージ」は比較的新しい
ヴィンテージは「骨董」や「アンティーク」の基準である100年を経過していない比較的新しい品を指し、なかでも1950年代~70年代のアイテムに使うことが多いようです。
そのため、一部の「アンティーク」と重なることがありますが、ヴィンテージと呼ばれるものはアンティークに比べるとややカジュアルであったり、機械製品的なニュアンスを含んでいたりします。
例えば、1970年代の腕時計でも自動巻きであれば「アンティーク」と呼ばれますが、クォーツ時計やデジタル時計は「ヴィンテージ」と呼ぶことが多いようです。
まとめ
「骨董」「アンティーク」「ヴィンテージ」の違いが「製造から100年経過しているか」が一つのポイントですが、「アンティーク」は100年経過していないものでも「アンティーク」と呼ばれることがあるなど基準が曖昧です。
特に、オークションサイトなどでは検索にかかりやすいようキーワードとして使っていることも多く、「骨董と書いてあるから古いものだと思っていたら、大正時代の物だった」ということもあるので、骨董的な価値が高い物を求めている場合は言葉だけで判断しないよう注意してください。