お盆や夏に飾れる掛け軸にはどんなのがありますか?
お盆や夏に飾れる掛け軸をご紹介します。
季節やシーンによって使い分けられる掛け軸
掛け軸は慶事にかける「祝儀掛け」や仏事にかける「仏事掛け」など、使用シーンに合わせて使うものと、「山水画」「花鳥画」「動物画」など、日常的に使用できるものがあります。
さらに、日常に使用できる掛け軸のなかには季節感があるモチーフを描いたものと、季節のあまりないものがあり、季節感のある掛け軸は季節に合わせて飾るのが基本です。
例えば、雪景色を描いた山水画は冬、紅葉を描いた風景画は秋に用います。
夏やお盆であればどのような掛け軸が適しているのでしょうか。
お盆に飾れる掛け軸
仏事と関わりが深いお盆は、法事を行わない場合も十三仏や観音、曼荼羅、白蓮華など、仏教に関するモチーフを描いた掛け軸が適しています。
個人で楽しむ事を目的として飾る場合、宗派に関係なく好きな仏画を飾ってもよいですが、お盆は来客があることも多いため、できれば宗派に合ったモチーフの掛け軸を飾るとよいでしょう。
また、お盆は仏画や仏事掛けしか飾ることができないというわけではないので、山水画や花鳥図などを飾ってもかまいません。
ただし、新盆などの法要を行う場合は宗派に沿った「仏事掛け」を飾りましょう。
夏の日常掛け
夏の日常掛けは涼やかな雰囲気がある掛け軸が適しています。
夏の掛け軸として好まれるものとしては滝を抱く緑の山々や、川を泳ぐ魚、せせらぎの上に伸びた枝の上にとまるカワセミなど、川をモチーフとした自然の風景です。
また、夏の花の代表ともいえるアサガオやアジサイ、菖蒲のほか、へちま、茄子などを描いた掛け軸も好まれます。
蛍狩りや夕涼みをする人物を描いた掛け軸や金魚の掛け軸もよいでしょう。
俳句で夏の季語として指定されている動植物や風物詩が描かれた掛け軸は、基本的に夏の掛け軸といえます。
また、年中使用できる掛け軸のなかでも「鯉の滝登り」や「ひょうたん」は涼しげな印象が強く夏向けの掛け軸といえるでしょう。
まとめ
夏に飾る掛け軸は夏の草花に加え、川や滝などの風景のほか、夏の風物詩をテーマにした掛け軸がが適しています。
また、一年中かけることができる図柄の掛け軸でも、魚類や生命力あふれる植物、川をイメージする鳥をモチーフにしたものは夏向きといえます。
薄い色合いの日本画や適度な余白がある作品であればよりすっきりとした涼しげな印象となるでしょう。
また、お盆は仏画や仏事掛けを飾るのが一般的です。法事の際の仏事掛けは宗派によって適した内容が異なることもあるので、掛け軸の専門店や仏具店などに相談するとよいですね。