最近需要が高まり、値上がりしている珊瑚。その種類と価値について説明します。
珊瑚の種類と価値について説明します。
古くから人気の「宝石珊瑚」
「珊瑚」というと沖縄の珊瑚礁などをイメージする人が多いかもしれませんが、宝飾品や美術品に加工される「珊瑚」は、水深100~400mに生息している珊瑚で、海の上から見ることができる珊瑚とは異なる種類の珊瑚で、「宝石珊瑚」とも呼ばれています。
深海でゆっくり成長し、養殖することも難しいため価値が高く、「桃太郎」などの昔話にも「金銀財宝」として登場するなど、古くから人気を集めています。(絵本を見ると赤やピンクの枝のようなものが描かれていることがありますが、これが宝石珊瑚です。)
宝石珊瑚にはさまざまな色があり、それぞれ価値が異なります。
赤珊瑚
珊瑚のなかでも鮮やかな赤色の珊瑚を「赤珊瑚」と呼びます。
日本では小笠原諸島、五島列島、奄美大島、宮古島周辺などで採取でき、色が濃く、色ムラがない珊瑚ほど価値が高くなります。
なかでも、「血赤珊瑚」と呼ばれる土佐湾産の赤珊瑚は色合いが特に深く、希少価値が非常に高いため、取引価格も高額です。
赤珊瑚はその色の美しさからネックレス、指輪、彫刻を施したブローチなどに加工されており、中国の富裕層から特に人気があります。
桃色珊瑚
四国、九州、沖縄近海で採れる桃色珊瑚は、赤に近い柿色から白に近いピンクまで幅広い色調を持っており、柿色と白が混ざり合ってまだらになった「スカッチ」、桃色珊瑚のなかでも特に白に近い色の「ボケ珊瑚」など、色合いや模様によって独特な名前がついているものもあります。
宝石としての価値は赤珊瑚より劣りますが、桃色珊瑚は彫刻などの加工がしやすく大きく成長するという特徴があるため、帯どめやブローチなどの宝飾品のほか、大きさを活かして仏像などの彫刻に用いられてきました。
そのため、宝石としての価値は低くても骨董的な価値が高いということがあり、査定に出すと高額になることもあります。
また、ボケ珊瑚は「エンジェルスキン」とも呼ばれ、海外で人気を集めていますが、現在はほとんど採れなくなっているため、今後価値が高くなっていくことが予想されます。
白珊瑚
日本近海で採れる「白珊瑚」は、白珊瑚と呼ばれていますが、うっすらとピンクがかっていることが多く、宝石としての価値はやや低めです。
ただし、純白の白珊瑚は希少価値が高くなります。
まとめ
珊瑚は日本だけではなく地中海、南シナ海、東シナ海、ハワイ沖などさまざまな地域で産出されており、「紅珊瑚」「姫珊瑚」「ガーネ」「ミッド」「シナ海」など、さまざまな種類が存在します。
加工されて宝飾品などになった状態でも価値が高い珊瑚ですが、「原木」という加工前の状態でも価値があります。
珊瑚は色、大きさ、形で価格が変わるのはもちろん、宝飾品としていた場合と骨董品として見た場合では価値が変わってしまうため、売却するときは宝飾品店と骨董品店の両方で査定を受けることをおすすめします。