アウトドア界からも注目を浴びている、野点とは何ですか?必要な道具には何がありますか?
野点と野点に必要な道具をご紹介します。
野点(のだて)は「カジュアルなお茶会」
茶道のお茶会というと、作法が厳しくて敷居が高いイメージがありますが、屋外で行う「野点」では「おもてなしの心」さえ大切にしていれば作法に捕らわれず自由に楽しんでよいということになっています。
近年は緑が豊かな都市公園や公共の日本庭園などで桜の季節や紅葉の季節になると野点が行われることもあり、観光や散歩のついでにカジュアルにお茶のもてなしを楽んだことがある人も多いのではないでしょうか。
野点に必要な道具
屋内で行われる茶会では、お茶を点てる道具以外に「掛け軸」「花入れ」など、茶室の空間を演出するための道具が必要となります。
しかし、野点は「自然のなかで茶を楽しむ」ことが主旨ですので、掛け軸や花入れなどを必要としません。
そのため、野点で必要な道具は、基本的にお茶を点てる道具である「茶碗」「茶筅」「茶杓」「棗」「茶巾」「お湯を沸かす道具」のみです。
大規模な茶会では移動式の湯釜が使用されることがありますが、ポットや保温性の高い魔法瓶にお湯を入れて使用したり、キャンプ用のコンロなどを使ったりすることもあります。
アウトドアと野点を組み合わせる
近年、茶道教室などが主催する野点などではなく、キャンプやピクニックなどのアウトドアと野点を組み合わせるというスタイルも増えています。
茶道教室などが主催する野点では、お茶を飲むスペースを作るための「緋毛氈(ひもうせん)」「野点傘」「床几(しょうぎ)」などが使用されますが、アウトドアと野点を組み合わせて個人的に楽しむときはレジャーシートがあれば十分です。
野点に使う道具一式を持ち運べるセットにした「茶箱」、「茶籠」が茶道具店などで古くから扱われているほか、最近は日本のアウトドアブランドである「mont-bell(モンベル)」や「snowpeak」が野点に必要な道具一式がセットになった「野点セット」を販売しています。
まとめ
「茶道」が持つ格式高いイメージから離れた野点ですが、その歴史は意外に長く、千利休が天正15年に箱崎の松原でお茶をたてたことが原点だといわれています。
茶室でのお茶会も茶道のスタイルの一つですが、カジュアルな野点も茶道のスタイルの一つです。
形式ばらず自由であること、時代と共に柔軟に変化することが野点の魅力ですので、庭で楽しむティータイム感覚で、気軽に野点を楽しんでみるのはどうでしょうか?