日本刀の刀装具の種類とその価値について教えてください。
日本刀の刀装具の種類とその価値についてご説明します。
日本刀の「拵(こしらえ)」
日本刀は大きく分けて本体となる「刀身」と刀を収めたり身に着けるための「刀装」に分けることができます。
刀装は「拵」とも呼ばれ、人間の衣服が時代とともに変化しているのと同様、刀装の様式や刀装に使われる金具である「刀装具」のデザインや機能も変化しています。
刀装具の種類
刀装具には「刀」に使われる刀装具と、刀身を収める「鞘」に使われる刀装具に分けることができます。
刀に使われる刀装具は、刀を握るために取り付けられた柄がずれないように固定する「目貫」と「柄頭」、柄を握った手が刀身に触れないよう固定する「鍔(つば)」、鍔を固定する「ハバキ」の4つです。
このうち、柄頭とハバキは合わせて「縁頭(ふちがしら)」と呼ぶこともあり、柄頭を「頭(かしら)」、ハバキを「縁(ふち)」と呼ぶこともあります。また、ハバキは刀身を鞘に収めたとき、刀身が鞘にぶつかることを防ぐ役割があるため「鞘走留(さやばしりどめ)」とも呼ばれることがあります。
鞘に使われる刀装具には、鞘の口付近に取り付けられた「小柄」と「笄(こうがい)」の2つがあり、刀を身に着けたときに体の側に来るのが「小柄」、外側に来るのが「笄」です。
小柄は鞘に取り付けられた「小刀穂(しょうとうほ)」と呼ばれる小型の刃物の柄のことで、本来は実用品でしたが時代と共に装飾的な意味合いが強くなってゆきました。
また、笄も髪を掻いたり耳垢を落としたりするための実用品でしたが、小柄同様、鞘を装飾する道具に変化してゆき、江戸時代ごろになると金工芸術品として優れた小柄や笄が数多く製作されました。
刀装具の価値
刀装具の価値は、状態、製作年代などによって変化しますが、コレクターが多い鍔や目貫は比較的価値が高くなります。
また、刀装具は単体でも取引されていますが、同じ職人によって作られた目貫、小柄、笄がそろった「三所物(みところもの)」は価値がさらに高くなります。
まとめ
本来武器として作られた日本刀は、時代が流れるにつれ実用品から「権威の象徴」として扱われるようになり、それにつれて装飾性も高まっていきました。
なかでも、金工をはじめとした工芸技術が高まった江戸時代の日本刀は芸術性が高い作品も多く、海外からも美術品として高い評価を得ています。
また、刀装具は単体で古美術品、骨董品、伝統工芸品として扱われており、国内外を問わず多くのコレクターが存在しており、小さな目貫1つでも高い価値がつくこともあります。
お手元に売却を検討している刀装具をお持ちの方は、弊社に一度ご相談ください。