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薩摩焼の「黒もん(黒薩摩)」と「白もん(白薩摩)」とは何ですか?

黒もん(黒薩摩)と白もん(白薩摩)についてご説明します。

黒薩摩

黒薩摩はその名前の通り黒い色が特徴ですが、完全な黒色のみではありません。肌触りはざらついていて、表面は綺麗な黒い光を放っていますが、種類によっては表面に凹凸があり、原料となる粘土は鉄分を多く含んでいます。

 

黒薩摩の釉薬

焼き物には釉薬(うわぐすり)という表面に塗る薬品があり、釉薬にも鉄分が含まれています。黒薩摩に成分の違う釉薬を何種類か使い、その使い方や量により微妙なニュアンスを出すのが特徴です。複数ある釉薬の中でもよく使われるのは次の2種類です。

・蛇蝎釉:だかつゆう、もしくはじゃかつゆうと読みます。蛇やサソリの皮膚のような模様になり表面に凹凸はなく仕上がります。

・どんこ釉:どんことはガマ蛙を指し、その名のとおりガマ蛙の皮膚のような凹凸とした表面ができます。

 

絵はなく綺麗な光沢

黒薩摩は主に表面のツヤや模様がそのデザインとなります。そのため表面に絵などは描かれていません。

 

白薩摩

白薩摩は複数の種類の土を配合したものが原料で、カオリンと呼ばれる粘土や陶石などが含まれます。白という名前がついていますが完全な白色以外にも乳白色や薄いクリーム色など、淡い色をしているものが多く、表面にはキラキラとした細かいヒビ(貫入)が特徴です。

 

白薩摩の釉薬

釉薬はガラスのような透明なものが使われます。薩摩焼ではこの釉薬が重要で、現在でも製造している会社によってその配合は異なります。

 

絵や模様がある

黒薩摩は釉薬による質感と模様がメインですが、白薩摩はその表面に絵や彫りを入れるのが特徴です。何度か焼いた後の仕上げ前に金彩や絵が描かれます。形を作る人と、絵を描く人で分業される場合が多いです。

製造方法も異なる

白薩摩と黒薩摩はそれぞれ製造の工程が異なります。

 

1.成形:ロクロを使ったり叩きで形をつくります。

2.乾燥:土を軽く乾燥させます。

3.削り:カンナや彫刻刀で削って形を仕上げます。

4.乾燥:熱風を当てたり自然乾燥で完全に乾燥させます。

5.素焼き:800度前後で焼き上げます。

6.施釉:釉薬を塗ります。

7.本焼き:1200度近くで焼き上げます。

どちらもここまでは一緒で、黒薩摩はここで仕上がりとなります。

 

白薩摩はその後、

8.上絵:絵や模様を描いたり色付けをします。

9.上絵焼付:上絵をしっかりと焼き付けます。

という手順が加わります。

また、上絵の後に金細工を描き再度焼き付けることもあります。

 

買取の違い

黒薩摩と白薩摩はそれぞれ使用対象が違います。黒薩摩は庶民向けのためシンプルに、白薩摩は藩主に向けのために豪華な絵が描かれているものが多いです。そのため買取価格としては白薩摩の方が高くなる傾向があり、江戸時代に作られたものであれば数百万円の値段がつくこともあります。

 

まとめ

近年に作られたものでも価格がつくこともありますので、査定をご希望の方はゴトー・マンにご連絡ください。

 

 

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