中国陶器の朱泥(しゅでい)とは?宜興窯(ぎこうよう)の物など、高価買取の条件6つ。
朱泥と、朱泥の高価買取の条件についてご紹介します。
朱泥(しゅでい)とは
朱泥とは中国の明朝時代に、江蘇省にある窯「宜興窯」が作り始めた陶器です。鉄分が多い土を使って焼き締めた赤褐色の無釉陶器で、急須や湯飲みなど煎茶道具が主に作られています。
一般的に、絵付けや装飾などは施されていない素朴な印象な品が多く、一見すると高い価値がつかないように見えますが、時代や状態などによっては数十万円の高価買取になることもあります。どのような条件を満たせば高価買取が期待できるのでしょうか。
中国の品
朱泥は中国発祥の陶器ですが、煎茶の流行に伴って広く焼かれて、日本でも常滑、伊部、四日市などで作られるようになりました。特に、常滑の朱泥は「常滑焼」として親しまれています。
日本の朱泥も優れた品が数多く存在しますが、希少性などの点から高い価値がつきにくい傾向があります。
一方、中国の朱泥は全般的に高い価値がつきやすく、骨董的な価値がある作品であれば高価買取が期待できるでしょう。
古い時代の品
朱泥は「お茶が美味しくなる陶器」といわれていますが、お茶の味が変わるのは土に含まれる鉄分がお茶のタンニンと反応するためだといわれています。
古い時代に作られた朱泥は鉄分を多く含んだ質の良い土を使って作られていますが、時代を追うごとに質の良い土が取れなくなり、現在は鉄分を補うために「ベンガラ」を入れて色を出している品が主流となっています。ベンガラを使った朱泥は表面がガラス質に覆われるため鉄分がタンニンと反応しにくく、朱泥ならではのまろやかな味が引き出されません。
古い時代の品は骨董的な価値があるだけではなく、茶器としての質の良さから需要が多く、高い価値がつきます。
作家物
朱泥は無銘の品や作者不明の品でも高値がつく傾向がありますが、陶刻家の任淦庭や束旦生、譚泉海、毛国強、沈漢生といった有名作家の品は高価買取が期待できます。
優れた装飾の品
朱泥は装飾などが施されていない品が一般的ですが、金泥や陶刻などで漢詩や絵が書かれている品なども存在します。装飾が美しく優れた品は高い価値がつき、高価買取になる可能性があります。
箱や付属品がついている
共箱がついている品や袋などの付属品がついている品は、単体よりも高価買取となります。
また、茶壷(急須)、茶杯、茶海(湯冷まし)、茶盂(鉢)など、一式揃っている場合は特に高い価値がつきやすくなります。
状態が良い
傷、割れ、カケ、シミなどがなく状態がよい品は高値がつきやすくなります。査定に出す前に軽く拭いておくなど、簡単な手入れをしておくとよいでしょう。
まとめ
中国骨董の朱泥は日本の朱泥よりも高い価値がつきやすく、年代などによってはかなりの高価買取が期待できます。
しかし、朱泥はその素朴な見た目や年代の判別が難しさなどから価値を見極めにくく、実際の価値よりも低い価格で買い取られてしまうことも少なくありません。
できるだけ高く買い取って欲しいという方は、中国骨董や朱泥の知識と取り扱い実績が豊富な業者を選んで査定に出すとよいでしょう。