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益子焼(ましこやき)の魅力とは?特徴的な色や人間国宝などの有名作家をご紹介

土の素朴な質感と伝統釉薬が魅せる独特な「色」に魅力があります。

毎日の食卓に温もりを添えてくれる陶器。その中でも、素朴な質感と独特な色合いで多くのファンを魅了しているのが、栃木県益子町で作られる「益子焼(ましこやき)」です。

 

1979年には国の伝統的工芸品にも指定された益子焼ですが、「他の焼き物と何が違うの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。

 

この記事では、益子焼の歴史や、益子焼を象徴する伝統的な釉薬による色の魅力、人間国宝を含む注目の有名作家まで詳しくご紹介します。

 

益子焼

栃木県の伝統工芸、益子焼(ましこやき)とは?

益子焼は、栃木県芳賀郡益子町周辺で生産される陶器です。

 

日本を代表する楽焼・萩焼・唐津焼などの陶磁器に比べると歴史は新しく、江戸時代末期(1853年頃)に始まったとされています。

 

益子焼の誕生には、隣町である茨城県笠間市の「笠間焼」が深く関わっています。笠間焼で修行を積んでいた大塚啓三郎おおつかけいざぶろうが、益子の土が陶器作りに適していることを見出し、益子に窯を築いたのが始まりです。

 

当時の益子焼は、火鉢や土鍋といった日用の生活雑器が中心でした。しかし、大正時代から昭和初期にかけて民芸運動を推進した陶芸家・濱田庄司はまだしょうじが益子に定住したことで、大きな転換期を迎えます。

 

濱田の存在によって全国から多くの陶芸家が集まり、日常使いから美術的な価値も兼ね備えた独自の陶芸文化へと発展していき、1979年には国の「伝統的工芸品」に指定されました。

益子焼は色が特徴!伝統的な釉薬が魅せる風合い

益子焼の最大の魅力の1つが、伝統的な釉薬ゆうやくによって生み出される、重厚で温かみのある色と風合いです。

 

砂気が多く鉄分豊富な益子の土は、焼成すると黒っぽくぽってりとした質感をみせます。

 

この独特な土に釉薬をかけることで、益子焼ならではの深い味わいが生み出されます。

 

ここでは、益子焼を代表する4つの伝統的な釉薬の色合いをご紹介します。

 

益子焼のコーヒーカップ

出典:https://www.instagram.com/p/Cg1jCapPGwy/

伝統の茶褐色「柿釉」

柿釉かきゆうは、益子焼を象徴する最も代表的な茶褐色の釉薬です。

 

地元で採れる芦沼石あしぬまいしの粉末を主原料としており、焼き上げると熟した柿のような渋みと温かみのある茶色に発色します。

 

土の素朴な質感と柿色の深い釉薬が絶妙に調和し、益子焼らしい飾らない美しさを引き立てます。

柔らかな白色の「糠白釉」

益子焼の白を表現する代表格が糠白釉ぬかじろゆうです。

 

もみ殻を燃やした灰(籾殻灰)を原料に使用しており、やわらかくミルキーな白濁色に仕上がるのが特徴です。

 

完全な真っ白ではなく、青みや黄みがかった温かみのある白色で、土の成分と反応して生じる豊かな表情が楽しめます。

自然な色合いの「灰釉」

灰釉はいゆうは、木々の灰を主原料とした昔ながらの伝統的な釉薬です。

 

灰に含まれる成分や還元・酸化の焼き加減によって、落ち着いた淡いグリーンやグレー、黄色みがかった自然な発色を見せます。

 

自然の素材から生み出される色合いは、主張しすぎず他の食器や料理とも見事に調和します。

深みのある漆黒の「黒釉」

鉄分を多く含んだ原料を使って作られる黒釉こくゆうは、深みのある漆黒や艶やかな黒褐色を作り出します。

 

マットな質感のものからツヤのあるものまで変化に富んでおり、食卓をグッと引き締める存在感があります。

 

黒釉の上に糠白釉を流しかけるなど、色のコントラストを楽しむ表現にもよく用いられます。

益子焼における人間国宝などの有名な作家

濱田庄司

濱田庄司は、益子焼を全国区や世界的な存在へと押し上げた第一人者であり、1955年に指定された第一回の人間国宝(重要無形文化財保持者)に選ばれた陶芸家です。

 

京都の陶磁器試験場で作陶を始め、主に釉薬の研究・開発に取り組んだ濱田は、イギリスの陶芸家であるバーナード・リーチと共に現地に窯を築き、ロンドンで個展を開催して鮮烈なデビューを果たしました。

 

日本へ帰国した後の1930年、濱田は益子の地に定住して本格的に作陶を開始しました。

 

当時の益子焼は、近代化に伴う金属器の普及によって生活雑器としての需要を奪われ、衰退の危機に直面していました。

 

しかし、「日常的に使われる日用雑器の中に美を見出そう」という思想を持つ民芸運動が起こり、その中心人物であった濱田が益子で作陶を始めたことで状況が一変します。

 

濱田の存在によって益子焼は衰退を免れ、現在まで続く全国的な人気と工芸的な価値を獲得することになりました。

 

濱田は手ろくろのみを使用するシンプルな造形や、釉薬を柄杓で大胆に流しかける「柄杓流し」などの技法を得意としていましたが、この飾り気のないスタイルは、今もなお益子焼の大きな基盤となっています。

島岡達三

島岡達三は、濱田庄司に弟子入りし、その教えを継承しながら独自の表現を切り拓いた陶芸家です。

 

1996年に民藝陶器・縄文象嵌じょうもんぞうがんの技術で人間国宝に認定されました。


組み紐を打った粘土にさまざまな泥を埋め込む「縄文象嵌」という技法を生み出し、古代の力強さと民芸の温もりが融合した独自の作風を確立したことで、益子焼の表現の幅を大きく広げました。

西村俊彦

現代の益子焼において、歌舞伎や浮世絵といった和の要素をモダンに昇華させたデザインで人気を集める作家です。

 

陶器の一部にあえて素焼きの部分を残す技法などを取り入れており、器として使うだけでなく、手で触れたときに土本来の心地よい質感や感触を楽しめる作品を数多く展開しています。

大塚雅淑

益子焼伝統工芸士として作陶する、健一窯の2代目の作家です。

 

益子の土と、伝統的な柿釉や糠白釉などの釉薬を使うことに強くこだわり、日常の暮らしに自然と馴染む渋みと温かみのある器を制作しています。

 

伝統を守りながらも現代的な生活空間にフィットする実用的なデザインが魅力です。

ユアン・クレイグ

オーストラリア出身の陶芸家で、人間国宝である島岡達三のもとで修行を積みました。

 

民芸運動の根幹である「用の美(使い勝手の良さの中に宿る美)」を追求しています。

 

あえて釉薬を使わずに高温で焼き上げる焼き締めなど、自然の力を借りて生み出される灰の輝きや豊かな表情を持つ器づくりを得意としています。

多様な「色」と作風が魅力の益子焼

栃木県を代表する伝統工芸「益子焼」は、砂気の多い土がもたらす素朴な質感と、柿釉や糠白釉といった伝統的な釉薬が魅せる深みのある色合いが大きな魅力です。

 

人間国宝をはじめ、伝統を受け継ぎながら新しい感性を取り入れる現代の作家たちによって、今もなお進化を続けています。

 

ゴトー・マンでは、益子焼をはじめとする伝統工芸品や骨董品、美術品の専門査定を行っております。

 

手元にある器の価値が気になる方は、無料お見積りも行っておりますので、お気軽にご相談ください。

 

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