骨董品の「保存状態が悪い」とは、どのようなことを指しますか?
骨董品の保存状態についてご説明します。
保存状態が悪いとは
保存状態が悪いとは、骨董品が何らかの原因により劣化してしまっている状態のことを指します。
例えば割れや欠けのほか、日焼けなども劣化している状況に含まれます。
骨董品は古くからあるものですので、特に保存場所などにも気を付けないと劣化してしまいがちです。骨董品の保存状態が悪いと買取の際に査定金額が下がってしまう原因となります。
骨董品の種類によっても保存状態が悪くならないように気をつけるべき点はいくつかありますので、骨董品の種類別の注意点をご紹介します。
書道具
書道具のなかでも、石や瓦でつくられた硯(すずり)が骨董品としては多く扱われます。硯は直射日光があたる場所や、熱を持つ場所は避けましょう。
蓋がついているものは硯の上に置くと傷つくことがあります。使用時は必ず硯の横に置くのはもちろん、運搬時には蓋をせずに硯を逆さまにしてその上に蓋をおき、ずれないように梱包材などで固定します。
もし使用中の硯であれば、その都度やわらかめのスポンジとぬるま湯で洗い、ときには硯専用の研ぎ石などで磨いてあげることも重要です。
陶器
陶器は粘土でつくられており、淡い色が多く透明感がない器で、性質上吸収性が高いです。骨董品としての価値を残すのであれば食材の色移りの可能性があるので、使用せずに保管することをおすすめします。置く場合にも底が擦れてしまわないように柔らかいものの上に置くことが大切です。また陶器はお湯で煮沸し、土の目を埋めたり汚れを落としたりする手入れ方法もあります。
使用する場合は盛り付け前に30秒ほど水につけておくと汚れが隙間に入り込みにくくなります。もちろん破損の可能性があるのでレンジの使用は避けましょう。
磁器
磁器は粉砕された石の粉が原料の器で純白な色が多く、軽く叩くと金属のような高い音がする特徴があります。陶器に比べると吸水性は少ないため劣化しにくく、気をつけることは少ないですが、金や銀彩、色絵が塗られているものは漂白剤につけると落ちてしまうので注意しましょう。陶器よりも硬い性質ですが、小さな欠けなどには注意してください。
鉄釜
鉄釜は茶道に使われていた窯で、洋鉄でつくられており現代でいうポットの形状をしています。お湯などを扱う器ではありますが、吸水性が高いので湿気に注意し、また日焼けも起こすので直射日光は避けましょう。
まとめ
ご自宅にある骨董品の売却を考えている方は、できるだけ実生活では使用せず、売却までの保管にも注意しなければいけません。特に素手で触ることで手の汚れが保管状態を悪くすることもあるので取り扱う際には手袋などをつけ、運搬時には梱包材を使用しましょう。