ここでおさらい。陶器、陶磁器を高く査定してもらうためのポイントを教えてください。
陶器や陶磁器を高く査定してもらうには、作家名や産地、時代、状態、付属品の有無が重要です。査定前にポイントを押さえておくことで高額買取が期待できます。
日本の陶器には、長い歴史と独自の技術が詰まった価値ある作品が数多く存在します。特に、美濃焼や萩焼といった伝統的なやきものは、骨董品市場でも高く評価され、高価買取が期待できる種類のひとつです。しかし、陶器の価値は、作家の知名度や制作年代、保存状態などによって大きく左右されます。
そこで今回は、骨董品としての価値が高い日本の陶器の種類や、高価買取を実現するためのポイントについて詳しく解説します。
美濃焼とは?― 多様な技法が生み出す個性
美濃焼(みのやき)は、岐阜県東濃地方を中心に生産されるやきもので、約1300年の歴史を誇ります。有田焼や九谷焼のように決まったデザインや技法がないため、さまざまな表現が可能なのが特徴です。
美濃焼の代表的な種類
- 志野焼(しのやき)
柔らかい白色の釉薬が特徴で、温かみのある風合いを持つ。桃山時代に茶人たちに愛された茶碗や水指などが人気。 - 黄瀬戸(きせと)
落ち着いた黄色の釉薬が特徴で、上品な趣を持つ。茶器や酒器などが多く作られている。 - 瀬戸黒(せとぐろ)
黒い釉薬を施したシンプルなデザインで、千利休が好んだとされる。美濃焼の代表的な茶器のひとつ。 - 織部焼(おりべやき)
緑釉を使い、斬新なデザインが特徴。幾何学模様や大胆な絵付けが施されたものが多い。
美濃焼の高価買取ポイント
美濃焼の中でも、特に桃山時代(16世紀後半~17世紀初頭)の作品は、骨董品市場でも高く評価されます。また、著名な陶芸家が手がけたものや、保存状態が良好なものほど高価買取が期待できます。
萩焼とは?― 使うほどに変化する「七化け」
萩焼(はぎやき)は、山口県萩市を中心に生産されるやきもので、茶道の世界では「一楽二萩三唐津」と称されるほど高い評価を受けています。
萩焼の特徴
- 貫入(かんにゅう)による風合いの変化
萩焼の最大の魅力は、使い込むことで生まれる「萩の七化け」と呼ばれる風合いの変化。これは、釉薬に細かいひび(貫入)が入り、茶や酒の色が染み込むことで、独特の風合いを生み出します。 - 柔らかな色合いと質感
白萩釉(しらはぎゆう)や枇杷色釉(びわいろゆう)など、やさしい色合いが特徴。茶器として人気が高い。
萩焼の高価買取ポイント
江戸時代の「古萩(こはぎ)」と呼ばれる作品や、著名な陶工(三輪休雪、坂倉新兵衛など)の作品は、高価買取の対象となります。特に、茶碗や水指などの茶道具は高値がつきやすい傾向にあります。
六古窯とは?― 日本最古の伝統窯
六古窯(ろっこよう)とは、日本で中世から続く代表的な陶磁器窯のことを指し、骨董品市場でも注目されています。
六古窯の種類と特徴
- 備前焼(びぜんやき)
- 岡山県で作られる焼締め陶器。釉薬を使わずに焼成されるため、自然な風合いが魅力。
- 信楽焼(しがらきやき)
- 滋賀県で作られる陶器。狸の置物が有名だが、茶器や壺も高価買取の対象になる。
- 丹波焼(たんばやき)
- 兵庫県で生産される陶器。茶器や水指が人気。
- 常滑焼(とこなめやき)
- 愛知県の陶器。朱泥急須が有名。
- 瀬戸焼(せとやき)
- 愛知県の施釉陶器。染付や色絵の作品が高評価。
- 越前焼(えちぜんやき)
- 福井県の焼締め陶器。壺や花器が人気。
高価買取のポイント
1. 作家物であること
陶芸家が作った「作家物」は、高額査定の対象になりやすいです。例えば、以下の作家の作品は人気が高く、高価買取が期待できます。
- 板谷波山
- 加藤卓男
- 金重陶陽
- 北大路魯山人
- 加藤土師萌
- 富本憲吉
- バーナード・リーチ
- 三輪休雪
- 鈴木藏
2. 産地と時代
六古窯の作品や、江戸時代以前の陶器は市場価値が高く、高額査定の可能性があります。
3. 細工の出来栄え
染付や象嵌(ぞうがん)など、緻密な技法が施された作品ほど価値が上がります。
4. 状態が良いこと
割れやカケ、ヒビがないことが重要です。簡単な清掃はOKですが、修復はしない方が査定額に影響しません。
5. 付属品が揃っていること
共箱(ともばこ)や栞(しおり)、作家の証明書があると、高価買取につながります。
まとめ
美濃焼や萩焼をはじめ、日本の陶器には高価買取が期待できるものが数多くあります。特に、六古窯の作品や著名な陶芸家による作品は市場価値が高く、査定の際にもプラス評価されやすいです。
弊社では、日本の陶器をはじめとした骨董品を専門的に査定し、高価買取を行っています。気になる陶器がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。適正な価格で査定し、大切な陶器の価値を最大限に評価いたします。