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刀剣愛好家必見!日本刀の正しい手入れと保管方法

かつて武器として使われた日本刀は、現代ではその美術的価値から世界中のコレクターに愛されています。

昔は武器として戦いで使用されていた刀剣。現在では美術品として世界中のコレクターから愛されています。しかし、そんな貴重な刀剣ゆえ、美しい状態を保つためには正しい手入れや保管をすることが大事です。そこで今回は、刀剣の手入れ方法や保管方法のポイント・注意点についてご紹介します。あわせて、不要な刀剣の処分方法についてもご説明していますので、ぜひ参考にしてください。

 

刀剣とは?手入れの重要性

まずは「刀剣とは何か」についてご説明しつつ、手入れがなぜ重要なのかについて解説します。

 

刀剣とは?

「刀剣」とは、刀身や剣身を備えた武器の総称です。刀や日本刀など、さまざまな種類があります。なお、包丁や調理用ナイフなども刀身を持ってはいますが、「刀剣」には含まれません。これらは「刃物」に定義されています。

 

刀剣の種類は?

刀剣には、刀や日本刀などさまざまな種類があります。

  • :剣類の中で片側にしか刃のついていないもののこと。
  • 日本刀:平安時代中期以降に、日本固有の鍛冶製法によって作られた刀のこと。

なお、日本刀は、刀身や剣身の形状や長さなどによってさらに細分化されています。日本刀と聞くと、長い刀をイメージする方が多いと思いますが、実はたくさんの種類があるのです。

 

刀剣の手入れが必要な理由は?

刀剣類は、鉄でできています。そのため、湿気に触れたり手入れを怠っていたりすると錆びてしまうことがあります。サビがひどくなると、鞘(さや)や柄(つか)から取り出せなくなってしまう恐れも。特に日本は湿気が高い季節もあるため、注意が必要です。サビを防止するために、定期的に刀身に油を塗るなどの手入れをしたり保管状況に気をつけたりといった配慮が必要です。

 

刀剣の手入れ!必要な道具と手順を解説

刀剣の手入れの具体的な方法をご説明します。

 

刀剣の手入れ道具

まずは、必要な道具を揃えましょう。

  • 刀枕:刀を置く際に切先側を乗せる枕です。
  • 目釘(めくぎ)抜き:目釘(めくぎ:刀身の茎を柄に収める部位)と柄を固定するための留め具)を抜く際に必要となる道具です。
  • 打粉:古い油を取るための道具です。棒の先端部分に丸めた布が付いていて、その中に砥石の粉末が入っています。これで刀身をポンポンと叩くことで中の粉末が刀身につき、古い油を除去してくれます。
  • 拭紙:刀身についた古い油を除去するときに使う紙のことです。上記の打粉の前後に使います。専用のものがありますが、ティッシュペーパーやメガネ拭きなどで代用することも可能です。
  • 刀剣油(丁子油やミシン油):お手入れの最後に刀身に塗る油のこと。刀身の表面に皮膜を作り、空気に触れるのを防ぎます。刀剣油として昔から使われているのは丁子油という種類ですが、長期間置いておくと酸化しやすいというデメリットが。そのため、精製された工業用のミシン油を使うこともあります。
  • 油布:お手入れの最後に刀剣油を染み込ませる際に使う布です。「ネル布」と呼ばれることもあります。
  • その他(メタルクリーナー・ベンジンなど):打粉がない場合は、メタルクリーナーやベンジンで代用することも可能です。これらをティッシュやコットンに含ませ、刀身をぬぐうようにすると古い油を取ることができます。

 

刀剣の手入れ

それでは、刀剣の手入れ方法をご説明します。

  1. 刀を抜く

まずは刀に一礼し、鞘から刀身を抜きます。刃側を上向きにして、柄と鞘を左右の手でもち分けましょう。

  1. 刀身を柄から外す

柄をしっかりと握って、目釘抜きを使って目釘を押します。反対側から目釘が飛び出たら、目釘を外してください。次に、柄を握った手の手首を叩き、てこの原理で刀身を柄から浮かせ、柄から外しましょう。また、鎺(はばき:刀身と鞘の接触を防ぐ金具)も外します。鎺の中心部をしっかりと握り、下へずらして外してください。

  1. 古い油を拭き取る

刀身の茎(なかご:柄に収める部位)を持ち、拭紙で刀身を挟んで下から上に向かって拭きあげ、古い油を除去します。

  1. 打粉を付ける

打粉を刀身の下から上に向かってポンポンと軽く打っていきます。うっすらと粉がつく程度に留め、粉がつきすぎた場合はやわらかい布ではたき落としてください。

  1. 刀剣油をつける

油布に刀剣油を染み込ませます。刀身の茎をしっかり持って、油布で油を塗布します。油が均一につくよう、薄く広げていくのがポイントです。

  1. 鎺をつける

刀身の茎を握り、鎺(はばき:刀身と鞘の接触を防ぐ金具)をつけます。

  1. 柄をはめる

鎺(はばき:刀身と鞘の接触を防ぐ金具)の中心を持ち、柄をはめます。柄を下から叩くようにすると、反動できれいにはまります。

  1. 目釘を差す

柄を握って目釘を差します。

  1. 刀を鞘・袋に入れる

刀身を鞘に納め、刀袋に入れて保管しましょう。

 

刀剣の手入れの注意点

刀剣を手入れする際は、以下のポイントに気をつけましょう。

  • 丁子油の使用は控える? 丁子油は粘着力が高いため、鞘に染み込むと鞘染の原因となることがあります。また、植物性由来のため、長期間経つと酸化しやすいという面も。こういったデメリットを避けたい方は、丁子油よりも扱いやすい工業用のミシン油を使うと良いでしょう。

  • 打粉の頻度は控えめに 研磨してまもない時期を除き、打粉の使用は最低限度にとどめましょう。打粉には微細な砥石の粉が用いられているため、多量に使用すると刀身の表面に微細な傷がついてしまうことがあります。また、刀身の精彩度が落ち、ぼやけた肌になることも。

  • 冬場は刀身が抜きづらくなるため注意 空気が乾燥する冬場は、鞘が縮まり刀身が抜きづらくなります。刀身を抜く際に怪我をしないように注意しましょう。

  • 手入れの頻度は3か月に一度 刀剣の手入れは3ヶ月に1度程度行うのがベスト。ただし、頻繁に鑑賞する場合は鑑賞のたびに行った方が良いでしょう。手入れの頻度が多くなることはさほど問題ではありません。むしろ、手入れ不足の方が刀剣にとっては命取りとなってしまいます。つい忘れがちになってしまう方は、手入れをした日と次回の手入れ日をカレンダーなどにメモしておくようにしましょう。

  • 研いだばかりの手入れは頻繁に 「刀剣の手入れは3ヶ月に1度がベスト」と述べましたが、研いだばかりの刀剣の場合は異なります。研いだばかりの刀剣は通常よりも錆びやすいため、研いでから3ヶ月間は週に1度、研いでから4ヶ月から半年は2週間に一度、7ヶ月から1年は3週間に一度、1年から2年は1ヶ月に1度の手入れをおすすめします。

 

刀剣の保管方法

刀剣の劣化を防ぐためには、前項でご紹介したお手入れとともに、保管方法にも気を配る必要があります。保管方法のポイントを解説します。

 

直射日光と湿気を避ける

刀剣は熱と湿気に弱いので、直射日光が当たる場所や湿度の高い場所での保管は避けてください。直射日光の当たらない、風通しの良い場所が適しています。

 

古い拵(こしらえ)には入れない

刀剣を購入すると、拵(こしらえ)という外装が付属することがあります。しかし、刀剣を古い拵に入れて保管するのはおすすめできません。拵自体にも美術品としての価値があるため大切に保管すべきですが、経年劣化で内側が汚れている可能性があります。そのため、古い拵に刀身を入れておくと、汚れたり傷がついてしまったりする恐れがあるのです。

 

必ず横向きに置く

刀剣は必ず横向きに寝かせて保管しましょう。壁などに立てかけていると、倒れた際に刀身や鞘が傷ついてしまう恐れがあります。また、下側になっている部分に圧力がかかって変形したり傷が入ったりすることも考えられます。

 

登録証や鑑定証も一緒に保管する

刀剣は、銃砲刀剣類登録証や鑑定証と一緒に保管するようにしましょう。銃砲刀剣類登録証とは、その刀の種別(太刀・打刀・短刀…など、その刀剣の種類)や長さ・反り・銘文などのデータが記載されたものです。刀剣・日本刀の中でも美術的価値があるものだけに、各都道府県の教育委員会が発行しています。なお、登録証がある場合も、念のため発見した刀剣と登録証に記載されている内容が一致しているかを確認してください。まれに内容が異なったり改ざんされていたりするケースがあり、そうなると登録証の再交付や登録のし直しが必要です。

 

銃砲刀剣類登録証とは

銃砲刀剣類登録証とは、各都道府県の教育委員会によって発行されるものです。刀剣・日本刀の中でも美術的価値があるものだけに交付されます。登録証には、その刀の種別(太刀・打刀・短刀…など、その刀剣の種類)や長さ・反り・銘文などのデータが記載されています。

 

刀剣を処分する際の手順

「自宅に刀剣を保管しておく場所がない」「相続で刀剣をもらったけれど、手放したい」といった理由で刀剣を処分したい方もいるかと思います。処分の際は、まずは「銃砲刀剣類登録証」の有無を確認してください。この有無によって、処分方法が変わってきます。

 

登録証がない場合の対処方法

「銃砲刀剣類登録証」がない刀剣の所持は、銃刀法(鐵房刀剣類所持等取締法)に抵触してしまいます。登録証がない場合は、以下のように対処してください。

 

刀剣類発見届出済証を取得する

刀剣を発見したら、最寄りの警察署で「刀剣類発見届出済証」を交付してもらいましょう。この届出を行うことで、銃砲刀剣類登録証の申請が行えるようになります。まずは最寄りの警察署の生活安全課に電話し、登録証のない刀剣を発見した旨を伝えます。その後、案内にしたがって警察署に行き、所定の手続きを行って「刀剣類発見届出済証」を交付してもらいます。なお、手続きは刀剣の発見者本人が行う必要があります。警察署に行く際は、印鑑と運転免許証やパスポートなど本人確認の取れる身分証を持っていきましょう。届出証を発行するための費用はかかりません。

 

登録証を申請する

「刀剣類発見届出済証」の交付が済んだら、20日以内にお住まいの地域の都道府県の教育委員会が実施する登録会で登録証の申請を行ってください。定期的に登録審査日が設けられていますので、ホームページなどでチェックしてみましょう。登録会では、文化庁から審査を委託されている専門の鑑定士による鑑定が行われます。持ち込まれた刀に美術品としての価値があるかどうか審査されます。この際に必要なのは、刀剣と刀剣類発見届出済証・印鑑と身分証明証です。審査・登録には、6,300円の手数料が必要です。この手数料は申請段階で支払うものなので、審査に通らず申請がおりなかった場合も返金はされません。

 

登録証がある場合の対処方法

登録証がある場合は、専門店に売ったり美術館に寄贈したりすることができます。もちろん自分でコレクションとして所持することも可能です。

  • 自分で所持:登録証があれば、刀剣を美術品・コレクションとして所持することができます。
  • 警察で処分:「自分では持て余してしまう」「家に刀があるなんてちょっとこわいな」といった場合は、警察に処分を依頼することも可能です。とはいえ、「登録証がある」イコール「美術品としての価値が認められている」ということですので、処分してしまうのはもったいないかもしれません。
  • 美術館や博物館へ寄贈:高価な刀剣や文化財としての価値が高い刀剣の場合、自宅での所持は難しいこともあるかと思います。そういった場合は、美術館や博物館に寄贈するという方法もあります。寄贈を考えている方は、まずはお住まいの都道府県の教育委員会に相談してみるとよいでしょう。

 

刀剣の買取店を選ぶ際のポイント

上記の方法で処分する他にも、買取専門店に売却するという選択肢があります。刀剣の中には思わぬ価値があり、高値で取引されるものも多数。処分する前に一度査定を受けてみることをおすすめします。

 

刀剣の買取相場

刀剣の買取価格は、刀剣の種類や年代・作者などによって大きく異なります。希少性が高いものや文化財として価値の高いものであれば、高額査定がつくことも十分ありえます。著名な刀鍛冶の作品で状態の良いものであれば、30万円〜50万円程度の値がつくこともめずらしくはありません。

 

買取店を選ぶポイント

  • 査定経験が豊富な専門スタッフがいるかどうか 刀剣の価値は、その種類や作られた年代・作者・地域などによって大きく異なります。正しい鑑定と査定をしてもらうためには、刀剣に関する知識が豊富で経験のある専門スタッフに見てもらうことが大事です。正しい査定ができる専門買取業者を選ぶようにしましょう。

  • 刀剣の買取実績のある業者かどうか 過去に刀剣の買取実績があるかどうかも重要なポイントです。過去に例がある場合、独自の販売経路や流通経路を持っていることが多く、安心です。買取業者を選ぶ際は、ホームページの買取実績ページをチェックするようにしましょう。

  • 出張買取や出張鑑定会などを実施しているかどうか 「刀剣を家から持ち出してお店まで持っていくのが面倒、こわい」という方は多いかと思います。そういった方には出張買取を行っている業者を選ぶとよいでしょう。また、「買取専門店が家から遠い」という場合は、出張鑑定会を行っている業者もおすすめです。こういった業者であれば、運搬の手間やリスクを軽減できます。

 

まとめ

美術品としての価値が高く、買取市場でも人気の刀剣。大切な刀剣を長期間美しい状態に保つには、定期的なお手入れと正しい保管方法が重要です。今回ご紹介した方法を参考に、実践してみてくださいね。なお、「相続で刀剣をもらったけれど、家には飾れない」「引っ越しをするので刀剣を処分したい」といった方は、ぜひ一度買取専門店に査定依頼を。正しい価値がわかる専門業者であれば、思わぬ高値がつく可能性も十分あります。

 

 

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