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表千家、裏千家、武者小路千家の違い。 その1:茶道具

三千家の茶道具の違いについてご紹介します。

 

微妙に違う三つの「千家」

三つ合わせて「三千家」と呼ばれる表千家、裏千家、武者小路千家は、千利休のひ孫の代に成立し、以降、茶の湯の精神を継承しながらも独自に発達してきました。

基本的な部分は共通しているものの、道具や作法などに微妙な違いがあります。

今回は三千家が使用する茶道具の違いについてご紹介します。

 

扇子

床の間や点前道具を拝見するとき、挨拶をするときなどに膝の前に置く扇子は、流派によって長さが異なります。

表千家では、昔は男性の扇子が6.5寸、女性の扇子が6寸となっていましたが、現在は男女共に6.5寸の扇子を使用します。

裏千家と武者小路千家の扇子は5寸とやや小さめです。

 

帛紗(ふくさ)

茶道具や茶器を拭き清める時に使う帛紗にも流派ごとに違いがあります。

表千家では男性は紫色、女性は朱色、裏千家では男性は紫色、女性は赤色、武者小路千家で男性は紫色、女性は朱色を使います。いずれの流派も無地の帛紗を使用します。

男性はどの流派でも紫、女性は裏千家なら赤、裏千家以外は朱と覚えておくとよいでしょう。

 

出し帛紗と古帛紗

出し帛紗、古帛紗は一般的な「薄茶」の点前では使用せず、濃茶のときにだけ使用する道具です。表千家と武者小路千家では一般的な帛紗と同じ大きさの「出し帛紗」を使いますが、裏千家では一般的な帛紗よりもやや小さい「古帛紗」を使います。

帛紗は色柄が指定されていますが、出し帛紗と古帛紗は指定がなく、さまざまな織りや染めの布、古代裂・名物裂と呼ばれる生地が使われることもあります。

 

菓子器

お茶菓子を入れる菓子器は入れる菓子によって器の種類を選びますが、流派によって扱い方に違いがあります。

表千家と武者小路千家では、蓋つきの菓子器を用いて菓子を見せませんが、裏千家では蓋をつけず菓子が見える状態で使います。

 

茶筅

お茶を点てるために使用する茶筅は竹で作られていますが、使用する竹の種類、穂の形、長さ、穂の数などさまざまな種類があります。用途によって選ばれることもありますが、表千家では煤竹の茶筅、武者小路千家では黒竹の茶筅、裏千家は白竹の茶筅を使うのが一般的です。

 

まとめ

どのような道具を使うかは流派だけではなく、教室などによっても違いがあります。例えば、無地が正式とされている帛紗も、教室によっては色柄物を自由に使うことが出来たり、表千家の方が携帯性のよさから5寸の扇子を使ったりすることもあります。茶道を始めるために道具を揃えたいという場合は、流派に合わせて自分で選ぶより、教室で必要なものを聞いてから指定のものを揃えたほうがよいでしょう。

 

 

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