硯箱とは?蒔絵など、高価買取が期待できる条件にはどんなのがある?
高価買取が期待できる硯箱をご紹介します。
日本独自の文具「硯箱」
硯箱はその名の通り「硯」を納めるための箱で、硯のほかに筆、墨、水差し、小刀などといった文具も納めることができます。
中国では、硯や筆といった道具は「文房四宝」として珍重されていましたが、なかでも硯は多くの文人に愛でられる対象として重んじられており、硯に脚やふたを付けたりするのが伝統でした。
この形式は日本にも伝わり、奈良時代から平安時代にかけては中国式の硯が使われていましたが、平安時代には「書架式(しょかしき)」「懸子式(かけこしき)」と呼ばれる硯箱が登場、さらに室町時代には携帯用の「掛硯(かけすずり)」が出現するなど、日本独自の発展をとげました。また、江戸時代ごろになると螺鈿や蒔絵を施した硯箱も作られるようになり、実用品としてはもちろん美術工芸品としての価値も求められるようになりました。
時代と作者
硯箱の査定ポイントとして最も重要なのが「どの時代に、どの作者によって作られたか」です。時代が古い品や有名な作者による品であれば高い価値がつきます。また、刻印や鑑定書などから誰が作った品であるかがはっきりとわかる場合も高い価値がつきます。
装飾
蒔絵や螺鈿、描金などで装飾が施された硯箱は美術工芸的な価値がつき、査定額も上昇します。細工が精緻で技術的に優れている品、箱の外側だけではなく内側や裏側にも装飾が施されているといった場合は、高価買取が期待できます。
硯などの付属品
硯箱は箱だけでも骨董品・美術工芸品としての価値がありますが、硯箱に納める硯や筆、墨などの付属品があるとさらに高い価値がつきます。
また、硯箱は単体で作られることもありますが、文書を入れるための「文箱(ふばこ)」や、書籍や短冊などを載せる「文台(ぶんだい)」とセットで作られることもあります。もし、文箱や文台がある場合は一緒に査定に出すとよいでしょう。
保存状態
実用品であるため軽微な汚れや傷はあまり問題視されませんが、大きな傷や割れ、カケ、漆や装飾部分の剥落などはマイナスとなってしまいます。
目立った傷や汚れなどがない、保存状態が良い品であれば高価買取を期待できます。
なお、査定に出す際には乾拭きして汚れを落としてからの方がよいでしょう。
まとめ
硯箱には一段だけの「平硯箱」、重箱のような形式の「重硯箱」、タンスのような形式の「引き出し付き硯箱」など、さまざまな種類があります。装飾などがない品でも珍しい種類であったり、素材の希少価値が高い場合は高値がつく可能性がありますので、処分を検討している硯箱をお持ちの方は弊社にご相談ください。