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有線七宝、無線七宝など、七宝焼の技法6つ。

七宝焼の技法をご紹介します。

金属とガラスの伝統工芸

七宝焼きは金属の素地にガラス釉薬を乗せて焼成することで作る伝統工芸品で、紀元前の古代エジプトが起源とされています。日本に伝わったのがいつであるかはっきりしていませんが、古墳時代後期のものとみられる遺跡やそれより1世紀ほど前のものとみられる遺跡から七宝焼きが発掘されています。また、正倉院の宝物として七宝焼きが残されていることから、少なくとも奈良時代までには技術が伝わっていたことがわかります。

基本は金属の素地に釉薬を一種類塗って焼成する「単色盛七宝」ですが、複数の色を使う「多色盛七宝」、複数の色を持った七宝を焼成中に取り出して棒などで模様を作る「マーブル七宝」などあります。

また、単色盛七宝をベースとして絵付けなどを行う技法もあります。

 

象嵌七宝

素地を彫るなどしてへこませた部分に七宝を施す技法です。へこんだ部分に直接釉薬を流し込んで焼成する方法と、別の素地で作った七宝をへこみ部分にはめ込む方法があります。

 

有線七宝

リボン上の薄い金属線で模様を作り線で囲まれた部分に釉薬を盛って焼成する方法。七宝焼きの代表的な技法で、緻密な図柄を表現することができます。

 

無線七宝

無線七宝は有線七宝のように金属線を使って模様を作り、釉薬を盛って焼成する前に金属線を取り除く技法を指します。金属線を取り除くことで釉薬の境界が混ざりあい、柔らかくぼかしたような色合いに仕上がります。

また、ベースとなる釉薬を焼成した後、筆などを使って釉薬を盛って絵を描く「描画七宝」や「細密七宝」、フリットと呼ばれる粒状の釉薬を使う「フリット七宝」といった金属線を使用しない七宝も無線七宝の一種といえます。

 

箔七宝

ベースとなる釉薬を焼成した後、金箔や銀箔を貼ってそのまま焼き付けたり、箔の上に釉薬を塗って焼成する技法です。箔の上に盛る釉薬は無色透明の場合と色釉の場合がありますが、いずれの場合も金属箔の輝きが透けて見え、色合いなどによってさまざまな表現をするっことが可能です。

銀箔を使った箔七宝は「銀張七宝」「銀貼七宝」とも呼ばれ、箔に凹凸をつけることで有線七宝のような表現を行う「銀張有線」の技法も登場しましたが、現在は手間がかかることから銀張有線はほとんど作られていません。

 

透胎七宝

素地の一部を透かし彫り、または切り透かしにして、透かし部分に透明釉を施して焼成する技法。透かし部分は光が透過するため、ステンドグラスのような印象に仕上がる。

 

省胎七宝

銅の素地に銀線で模様をつけて七宝焼きを施した後、素地を酸で溶かして表面の七宝だけを残す技法。透胎七宝同様、ステンドグラスのような印象に仕上がる。

 

まとめ

日本はもちろん、アジア、ヨーロッパ各地で古くから作られてきた七宝焼にはさまざまな技法が存在しています。また、金属ではなくガラスや陶器を素地とした七宝焼なども存在します。

日本では明治期に優れた七宝焼の作品が数多くつくられており、国内はもちろん海外でも高い評価を得ています。美術館などで目にする機会があれば、じっくり鑑賞してみてはいかがでしょうか。

 

 

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