分銅、分銅金とは?高価買取が期待できる条件は?
分銅、分銅金と、高価買取が期待できる条件をご紹介します。
分銅とは
分銅とは天秤を使って質量を計るときに質量基準として使う金属の塊のことです。現在は分銅を用いない電子天秤などが普及していることからなじみの薄い存在となりましたが、2013年には大阪府の亀井遺跡から石の分銅と思われるものが出土しており、日本最古の分銅といわれています。
分銅と分銅金
骨董で「分銅」という場合、一般的には江戸時代に使用された「後藤分銅」をさします。日本では古くから宋銭などの計数貨幣が用いられていましたが、江戸期以前は計数貨幣の流通は少なく、物々交換や金銀の重さで価値を決める秤量貨幣が用いられていました。
江戸時代に入ると徳川家康が秤量貨幣の時代から計数貨幣の時代への転換に取り組みますが、その転換は緩やかなもので秤量貨幣である金銀と計数貨幣である寛永通宝が並行して使われていました。
「後藤分銅」は金銀を両替する際に用いる統一規格として作られた分銅で、不正防止のため彫金を本職とする後藤四郎兵衛家のみが製作を許されていたことから「後藤分銅」と呼ばれています。
蚕の繭をかたどったといわれる独特な形の青銅製で、表面には「五三の桐」の模様がついています。
分銅金は、幕府や大名が有事の際に備えて蓄えていた後藤分銅の形をした金塊のことで、44貫(約165kg)の大法馬金と、100匁(約373g)の小法馬金があります。
大法馬金は財政難の時に潰されて小判となったため現存していないといわれていますが小法馬金は現存しており、貨幣博物館に所蔵されています。
高価買取が期待できる条件
後藤分銅やそれ以前の古い分銅は希少価値・骨董的な価値が高いため、買い取り額も高価になる傾向があります。しかし、単品であったり状態がよくなかったりすると価値が下がってしまいます。
例えば、後藤分銅は50両から1分まで19種類がセットとなっています。全てそろっていなくても価値がつきますが、全てそろっていればさらに高価買取が期待できます。
また、錆や傷、欠けなどがないもの、表面の文字、裏面にある後藤家の花押、全面に施された後藤家の家紋と五三の桐がはっきりと見える状態のものは高い価値がつきます。
分銅金も基本的な条件は分銅と同じですが、どの大名家の分銅金であるかなどによって価値が変動します。
まとめ
希少価値が高く高価買取御期待できる分銅、分銅金ですが、正確な価値を判断するには知識と経験が必要です。売却の際は、分銅、分銅金の取り扱い実績があるかなどを確認し、信頼できる業者を選ぶとよいでしょう。