スプーンやフォークなどアンティークのシルバーカトラリーでよく聞く、ブランジェ (BOULENGER)とその価値について
ブランジェ (BOULENGER)シルバーカトラリーとその価値についてご紹介します。
古くから愛されてきた銀食器
古代から銀はその美しさや希少価値から貨幣として用いられてきただけではなく、聖なる力を持つ金属と考えられていたことから、魔除けや装飾品などに利用されてきした。また、銀は毒になるものに触れると曇るといわれていたため、毒物による暗殺が頻繁に行われていた中世のヨーロッパでは食事に毒が入っていないかを確かめるために銀食器が用いられてきました。
近年、スプーンやフォークなどのカトラリーといえばステンレスが一般的ですが、銀が持つ柔らかくて深みのある光沢は現在でも多くの人を魅了しており、アンティークシルバーのカトラリーやティポットなどは高い人気があります。
ブランジェとは
ブランジェ(BOULENGER)は1810年にパリで創業した銀工房です。設立当初はオータン(Hautin)という名前でしたが、創始者のアドルフ・ブランジェの甥が「A. Boulenger & Cie」(アドルフ・ブランジェ&シエ)と改名。また、アドルフ・ブランジェの甥の死後は、その息子のチャールズ・ブランジェがあとを継ぎ、1898年から「Ch. Boulenger & Cie」(チャールズ・ブランジェ&シエ)という名前を使用し、1938年代まで操業していました。
主にフランス海軍に銀器を供給していたブランジェですが、その美しさや使い勝手の良さは高く評価されており、展覧会や博覧会で多くのメダルを授賞。操業を終えた現在でもフランスの大手銀食器メーカー「クリストフレ」に並び称されている名工です。
ブランジェのシルバーカトラリー
ブランジェはコーヒーポットやシュガーポットなども手掛けていますが、最も多いのはフォーク、スプーン、ナイフといったシルバーカトラリーです。
左右非対称性や柔らかな曲線などの特徴から、当時流行していたアール・ヌーヴォーデザインとも言われますが、正確には19世紀中ごろに中産富裕層を中心に愛されたロココ様式のリバイバルである「ルイ15世スタイル」といわれています。
サイズは日本の一般的なカトラリーに比べるとやや大きめで、バランスの良いプロポーションが特徴です。立体的、かつ繊細に施された装飾は、優雅さとエレガントさを備えています。
ブランジェの価値
その美しさや使い勝手の良さから人気を集めているブランジェのシルバーカトラリーですが、1938年に操業を停止しているため、今後新しい製品が増えるということはありません。そのため、今後は希少価値が高まっていくことが予想されます。
特に、1800年代のアドルフ・ブランジェの品は骨董的価値・希少価値が高くなります。
まとめ
デザイン、質ともに完成度が高いブランジェのシルバーカトラリーは、実用品としてはもちろん、コレクションアイテムとしても人気を集めています。単体でもそれなりの価値がありますが、セットがそろっているとさらに高い価値がつきます。お手元に売却を検討しているブランジェの銀食器をお持ちの方は、弊社のご相談ください。