詰め物がされてても本物?象牙の真贋を見分ける方法4つ。
象牙の真贋を見分ける方法について説明します。
象牙の真贋を見分ける方法
古美術品などで人気の象牙は、希少価値が高く古くから「高級な素材」として扱われてきました。
また、近年は乱獲などの理由から採取や輸出入が禁じられているため、一本物の象牙や象牙加工品の価値は上昇しており、今後さらに価値が高くなると考えられています。
価値が高い品物につきものなのが「偽物」ですが、象牙にも動物の骨などを樹脂で固めて作った「練り物」と呼ばれる偽物が存在します。
象牙の本物と偽物はいったいどのように見分けることができるのでしょうか。
一本物は根元の空洞をみる
象牙の売買や譲渡は厳しい法の規制を受けているため、一本物などの場合「登録証」がないと譲渡や売買はできないこととなっています。
そのため、登録証がついていない一本物の象牙は偽物である可能性が高いといえますが、日本がワシントン条約に批准した1980年以前に手にいれた品物で、ずっと個人所有してきたものであれば登録証がついていないこともあります。
登録証がついていない一本物の象牙に出会ったら、まず根元の空洞を確認しましょう。
本物の象牙は根元から先端に向かう三分の一くらいが空洞になっていますが、偽物の象牙はこの空洞が浅くなっています。
ただし、本物の象牙でも空洞に詰め物がされていることがあるので、一見すると偽物のように見える本物もあります。
縞模様をみる
根元の空洞に詰め物がされてるように見えて判断ができない、蓋がついていて空洞を確認できない、一本物ではなく加工品であるといった場合は表面の縞模様を確認しましょう。
本物の象牙はゾウの成長とともに育っていくものですので、年輪のように層状の縞模様ができます。
しかし、偽物は粉末や樹脂を圧縮して作るため、本物の象牙のような縞模様がありません。
偽物のなかには象牙風の縞模様をつけたものも存在しますが、本物の象牙は縞模様の間隔にばらつきがあるのに対し、偽物は間隔が均等であるといった特徴があります。
ただし、象牙のなかには縞模様がわかりにくい本物も存在するので注意が必要です。
光に透かす
本物の象牙は硬いカルシウムが規則正しく並んだ結晶構造でできています。
そのため、光に透かすと結晶の間を光が通るため格子状の模様ができます。
材料を圧縮して作る偽物は成分が不規則に並ぶため、光を通さないか光を通しても格子模様にはなりません。
細工の緻密さを見る
象牙は硬く加工性がよいため、緻密な彫加工を施すことができます。
偽物は象牙よりも柔らかいため緻密な彫を施すことが難しく、全体的に彫が浅くのっぺりした印象があります。
まとめ
象牙の偽物が作られるようになったのは明治期ごろだと言われているため、江戸時代の根付などの場合は本物である可能性が高いといえます。
ただし、年代その物があやふやなものや、古く見える加工などで年代物に見せている偽物もあるので、注意が必要です。
また、空洞や縞模様、光の透け感などから真贋を判断することはできますが、正確に判断するにはある程度の経験がないと判断が難しいケースもあります。
自分では判断できない、より正確に判断したいという場合は、知識と経験を持つ専門家に依頼するとよいでしょう。