東京周辺で茶道具を中心に展示している美術館にはどこがありますか?
東京周辺で茶道具を中心に展示している美術館をご紹介します。
茶道具を見られる美術館
美術館には大きく分けて公立の美術館のほか、実業家が収集した所蔵品を展示する私的な美術館の2通りがあります。
公的な美術館は幅広いジャンルの美術品を鑑賞できますが、私的な美術館は個人のコレクションが中心になっているため、展示品のジャンルが偏っていることがあります。
そのため、茶道具を中心に展示している美術館の多くは私立の美術館に多く見られます。
畠山記念館
東京都港区にある畠山美術館は、茶道具を中心に書画、陶磁、漆芸、能装束など 日本、中国、朝鮮の古美術品を展示公開していることから「茶の湯の美術館」として知られています。
「井戸茶碗」や「赤楽茶碗」のほか、唐物茶入「油屋肩衝」、伊賀花入「からたち」のほか、茶杓なども所蔵されているのが特徴です。
また、2階展示室内は茶事の流れに沿って茶道具、懐石の道具を展示し、床の間を眺めるような姿勢で鑑賞できるように掛け軸が展示されているなど、展示方法も特徴的です。
根津美術館
東京都港区にある根津美術館は、青山と号して茶の湯を楽しんだ根津嘉一郎が収集した多くの名物茶器を所蔵する美術館で、日本を代表する茶の美術館として知られています。
唐物茶入の「松屋肩衝」、鼠志野茶碗 の「山の端」といった重要文化財の茶道具に加え、絵画、 書跡、彫刻、陶磁、漆芸、金工、木竹工、染織など、幅広いジャンルの東洋古美術品を観ることができます。
また、2階の展示室では季節に応じた茶会の趣向で道具を取りあわせて展示しているなど、展示方法も特徴的です。
五島美術館
東京都世田谷区にある五島美術館は、茶碗、茶入、茶杓などの茶道具を中心に、中国陶磁器や絵巻など、日本と東洋の古美術品を展示している美術館です。
楽家初代長次郎の作と伝えられる「長次郎赤楽茶碗」や、独特な色と形が目を引く「織部舟形手鉢」といった国焼品、「青磁鳳凰耳瓶」、「五彩透彫水注」といった中国陶磁、「源氏物語絵巻」や「紫式部日記絵巻」といった国宝の絵巻物を観ることができます。
1年に6~7回程度展示会が行われる形式です。
静嘉堂文庫美術館(せいかどうぶんこびじゅつかん)
東京都世田谷区にある静嘉堂文庫美術館は、国宝である「曜変天目茶碗」のなかでももっとも美しいといわれる「稲葉天目」を所蔵する美術館です。
また、南宋~元時代に作られた「唐物茄子茶入」や「青磁牡丹唐草文深鉢」、江戸時代に作られた「色絵吉野山図茶壺」など、重要文化財に指定された茶道具も観ることが出来ます。
茶道具だけではなく、徒然草などの和漢古典籍や、俵屋宗達の源氏物語関屋澪標図屏風など古美術品も収蔵、展示しているのが特徴です。
ただし、常設展示はなく企画ごとに展示品が変わるため、見たい作品があるときは事前に展示内容を確認する必要があります。
三井記念美術館
東京都中央区の三井記念美術館は、三井グループで知られる三井家が 江戸時代から収集した美術品を収蔵展示する美術館です。
所蔵品の約半数が、国宝の志野茶碗「卯花墻」、白楽茶「不二山」に加え、黒楽茶碗「雨雲」などの名品優品が含まれる茶道具類です。他にも円山応挙をはじめとする円山派の絵画、中国古拓本、書跡、能面などを所蔵しており、茶道具以外の美術品も幅広く鑑賞することができます。
まとめ
このほか、東京国立博物館、出光美術館、サントリー美術館などでも茶道具の展示を観ることができます。
複数の施設を巡るのに最適な「共通入場券」や「周遊パス」が利用できる美術館も多いので、休日に美術館・博物館めぐりを楽しんでみるのもよいかもしれません。