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骨董品の値段や価値を決める査定基準には何がありますか?

骨董品の値段や価値を決める査定基準を紹介します。

骨董品の査定は複雑

骨董品の値段や価値を決めるときに重視するポイントは、品物の種類によって異なる部分はあるものの、基本的な部分はどのジャンルの品物でも共通しています。

査定基準のポイントは一つではなく、複数のポイントを見ながら総合的に査定を行うため、取り扱う品物に対する知識と、骨董屋としての経験が必要です。

 

誰の作品か

「誰の作品か」は、掛け軸、絵画、彫刻、焼物など、美術品としての価値を持つ骨董品では特に重要なポイントです。

例えば、浮世絵であれは葛飾北斎や歌川広重などの作家物であれば価値が高くなります。

また、焼物の場合は陶芸家個人だけではなく「萩焼」「楽焼」「マイセン」など、産地や窯で価値が付きます。

とはいえ、「無名作家の作品だから価値がない」「作家が誰か分からないから価値がない」というわけではありません。

 

本物であるか

例えば、与謝野鉄幹の歌が書かれた屏風が蔵から見つかったとします。もし、書いたのが与謝野鉄幹本人だとすれば高い価値が付くでしょう。

しかし、与謝野鉄幹が書いたものではなく、書が得意だった曽祖父が鉄幹の書体に似せて書いたものだったということが判明した場合、書そのものの価値はなくなります。

また、珊瑚や翡翠を使った工芸品は、調べてみると着色した石や骨、プラスチックだったということもあります。

美術的価値のある作品はもちろん、宝飾品などにおいては「本物ではないもの」も時々見つかります。

ごくまれに高い価値が付く贋作もありますが、本物ではない作品は基本的に価値がないものとされます。

 

図柄・技法

作品に書かれた図柄や技法も価値を決める重要なポイントです。

例えば仏画の場合、描かれているのが不動明王と阿弥陀如来であれば、仏としての格が高い阿弥陀如来の方が価値が高くなります。

また、金泥を使って描かれているのではなく截金(きりかね)技法で描れているなど、技法が変われば価値も変わります。

 

年代

骨董品は基本的に年代が古いものほど価値が高くなります。

例えば、どちらも無銘で保存状態などがほぼ同じ江戸時代の日本刀と鎌倉時代の日本刀があった場合、より古い鎌倉時代の日本刀の方が価値が高くなる可能性があります。

 

サイズ

「必ず」というわけではありませんが、美術品としての価値が高い品や、宝飾品としての価値がある素材を使った品は、サイズが大きなものほど価値が高い傾向があります。

 

形状・出来ばえ

例えば、江戸時代に流通した「寛永通宝」で、製作年代や使用されている素材が同じであっても、文字がつぶれている、中央の孔に「バリ」が残っている寛永通宝と、字がきれいに読み取れ、丁寧に仕上げられた寛永通宝では、当然ながら形状・出来ばえのよい方が価値は高くなります。

また、木版画の技法で作られる浮世絵は、線がはっきりとした「初刷り」とそれ以降では価値が変わるほか、色の重ね方がずれていたり、色がにじんでいたりする作品は価値が低くなってしまいます。

 

保存状態

保存状態がよく状態が美しいもの、破損などがないものは価値が高くなります。

 

箱と付属品

掛け軸や茶碗などには専用の収納箱や箱にかける紐などが付いています。

使用するうちに無くしてしまったり、入手したときはすでに箱などがない状態だったりすることもありますが、箱やそのほかの付属品がある場合は箱が古く破損していても一緒に査定に出すと査定額が高くなる可能性があります。

 

箱書

掛け軸や茶碗の箱には、作者の名前や作られた年代などが書かれていることがあります。

作品の価値を裏付ける資料になるだけではなく、箱書きそのものに「書」としての価値がつくこともあります。

 

人気・希少性

骨董市場で人気がある品物や希少な品物は高い価値がつきます。

例えば、「貿易二朱」と呼ばれる「安政二朱銀」は、発行された期間が非常に短く、ほとんど流通しなかったことから希少性が高く、江戸時代に流通した銀貨のなかでは比較的高い価値がつきます。

また、古切手や古銭などは、希少性はそれほど高くないものの、コレクターの間で人気があり高値で取引されているものもあります。

 

まとめ

リサイクルショップは品物の状態だけで価値を判断しますが、骨董屋は複数の査定基準を見比べながら総合的に判断します。

保存状態があまりよくない品や有名作家の作品でない品、大量生産品であっても、骨董屋で査定を行えば高い価値がつくかもしれません。

 

 

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