香木と、その楽しみ方について教えてください。
香木についてと、その楽しみ方をご紹介します。
香木とは
香りをもっている木材のことを指します。木材から香りがでるメカニズムとしては、その木材についている樹脂にあります。もともと木材には自分自身の状態が悪くなった部分を修復するために樹脂がでるようになっており、その樹脂に香りが含まれています。
木材の種類で香りが異なるのはもちろんですが、樹脂が発生する状況はさまざまです。
- 病気によってでてきた樹脂
- 人の手などでできた傷からできる樹脂
- 害虫が原因の損傷からでてくる樹脂
などがあり、同じ木材の種類でもその香りは異なります。
古くに淡路島に漂着した木材に火をつけてみたところ、ほかの木材とは異なり、とても良い香りがしたことから朝廷に献上された、というのが日本の香木発見の歴史とされています。その後も権力をもつ多くの武士により、香りがする樹脂のある木材を切り取られていたといわれています。
香木に火をつけて香りを楽しむものが西洋風に発展したものがアロマテラピーですが、実は日本の古い時代にもお香をたいて香りを楽しむ文化は一部の階級にあったのです。
香木は主には3種類にわけられ、
- 沈香(じんこう)
- 伽羅(きゃら)
- 白檀(びゃくだん)
という種類があります。
香木の香りを楽しむ香道
香木を炊いたりして香りを楽しむ会のことを香道といいます。
日本ではだれもが聞いたことのある芸道として
- 味覚を楽しむ茶道
- 目で楽しむ華道
などがありますが、香道もこうした日本の五感を使って楽しむ会と同様です。香道では五感のうち嗅覚を主に使い、組香や聞香という方法で香木の香りを楽しまれています。
組香
複数の香木を利用する香り当ての競技です。
特定のルールを決め、包んでどの香木かわからなくなった状態にし、それぞれ順番に炊いて香りを楽しみながらどの香木であるのか各々どの香木であるかをメモをします。最後にどの香木であったのかを答え合わせをして正答率を競うもので、個人個人で異なる感想がでることも楽しめます。
聞香
聞くという言葉がついていますが、嗅覚で香りを楽しむことにはかわりありません。ただ香りを楽しむのではなく、「香木の香りに心を傾けて聞き、心のなかで香りを楽しむ」という意味があります。目を閉じて心を静かに落ち着かせて、わずかな燃える音や香りのゆらぎなどを味わいます。
まとめ
香木は古くから楽しまれているもので、木材からとるためにその資源には限りがあることから、金とどうように価値が上昇している傾向があります。人工的な香りとしてつくられている香水を楽しむ国でも、自然からつくられた香木は関心が増えてきているのです。