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彫金(ちょうきん)の人間国宝にはどのような人がいますか?

彫金(ちょうきん)の人間国宝をご紹介します。

彫金とは

彫金は、鏨(たがね)などを使って金属を彫る工芸のことで、鏨の種類によって異なる線を表現できるほか、一部を掘り抜く「透かし」、裏から大きく打ち出した後、表から細部を押さえていく「打ち出し」、溝に別の地金を嵌め込む「象嵌(ぞうがん)」などの技法を組み合わせることで、さまざまな図案や文様、文字を描きます。

プラチナ、金、銀、銅、真鍮、鉄、アルミ、錫(すず)などの金属を主な素材として使い、 ジュエリー、アクセサリー、仏具や家具などの飾り金具などの制作に用いられることが多い技術です。

 

彫金の人間国宝

彫金で人間国宝の認定を受けているのは、海野清、内藤四郎、鹿島一谷、金森映井智、増田三男、鴨下春明、中川衛、桂盛仁、山本晃の9人です。

 

海野清(うんのきよし)

1884年、彫金家である海野勝珉(しょうみん)の三男として生まれた海野清は、父や加納夏雄に師事して彫金の技術を学びました。

古典的な伝統的彫金技術をベースに、その技法を大胆に発展させた構図や近代的なデザイン、さらにヨーロッパ留学の成果をとりいれた表現で、独自の作風を確立した作家です。

 

内藤四郎(ないとうしろう)

1907年、東京の四谷で生まれ、幼いころから名工たちの技術を目の辺りにし、自然と彫刻家を志すようになった内藤四郎は、東京府立工芸学校で金属工芸を学び、東京美術学校で海野清、清水亀蔵、深瀬嘉臣らに師事して彫金の技術を習得しました。

正倉院の金工品調査に参加した成果を活かし、温和な鎚目を残した素地に毛彫(金属の表面に毛のような細い線を表現するもの)を施す技法や、金鍍金や漢代、エジプトの工芸品の研究から、着色した方解石を埋め込む技法などを生み出し、斬新な作品を数多く制作した作家です。

 

鹿島一谷(かしまいっこく)

1898年、東京下谷で彫金家の子として生まれた鹿島一谷は、代々伝えられてきた「布目象嵌」や、彫金技法全般を父や祖父から習得した後、彫金家 関口一也、関口真也に師事して彫金、象嵌、色絵、台付、着色、鑞付、合金配合法などを学いました。

祖父について布目象嵌の修業をする傍ら、海野清、北原千鹿より指導を受け、工芸表現の造詣を深め、1965年には唐招提寺蔵国宝亀舎利塔の修理に従事するなど、高い技術で活躍したほか、花瓶、香炉、花器、水滴、文房具、水注など、格調高く優美な作品を残した作家です。

 

金森映井智(かねもりえいいち)

1908年、富山県高岡市で生まれた金森映井智は、高岡の地場産業である銅器工芸で身を立てることを決意し、師であった内島市平のすすめで富山県立工芸学校に進学。彫金、鋳金、鍛金、板金など、金工の幅広い知識を習得する傍ら、日本画を中島秋圃に師事し、卒業後は内島の内弟子として二年間彫金技法を学びました。

戦後すぐの時期は、写生をもとにつくり出された具象的な草花文様の作品を制作していましたが、後に多く作られた花器では「花器に具象的な意匠は不似合い」という考えから、直線や曲線による幾何学的模様が用いられています。

高岡市の伝統技法である「浮象嵌」のほか、金、銀の線象嵌、布目象嵌など、さまざまな象嵌技法を組み合わせた、モダンで重厚な作風が特徴の作家です。

 

増田三男(ますだみつお)

1909年、埼玉に生まれた増田三男は、東京美術学校で清水南山より金工の伝統的な技術を習得するとともに、近代的な芸術観を持った陶芸家である富本憲吉の師事を受け、写生の極意と個性の重要性を学びました。

身近な草花や動物を写生し、優れた色彩感覚やバランス、新たな模様や図案で、生命感あふれる姿を、細やかな蹴彫り(けぼり)や、布目象眼などの技法で、繊細に表現した壺、箱、水指(みずさし)を制作し、高いクオリティーと技術を持つ作家として知られています。

 

鴨下春明(かもしたしゅんめい)

1915年に生まれた鴨下春明は、彫金家である伯父 桂光春に師事し、江戸金工の流れをくむ伝統的な彫金技法を習得しました。

魚や植物などをモチーフにした、刀剣の装飾品や帯留めなどに使われる細密華麗な小金具を残しており、その伝統的彫金技法で人間国宝として認定された作家です。

 

中川 衛(なかがわ まもる)

1947年、石川県に生まれた中川衛は、金沢美術工芸大学を卒業後、工業デザイナーとして活躍していましたが、「加賀象嵌」を施された鐙の展覧会を見たのがきっかけで金工作家を志すようになり、金工家 高橋介州に師事して彫金の技術を習得しました。

鉄、赤銅(しゃくどう)、朧銀(おぼろぎん)などの金工品に、平象嵌をはじめ、技術的に極めて難しい重ね象嵌などの加賀象嵌の伝統技法を駆使して装飾を行うだけではなく、自らのデザインや、毛彫、蹴彫、片切彫、透彫、肉合彫、魚々子打(ななこうち)などの技法を組み合わせた、現代的な感覚の美しい作品を多数残した作家です。

 

桂盛仁(かつらもりひと)

1944年に生まれた桂盛仁は、彫金家の父 桂盛行に師事し、足利尊氏の側近のお抱え彫金師を祖とする柳川派の技術を習得しました。

装身具として使用される精巧な小金具の制作をしながら、柳川派12代目として技術の伝承に努めつつ、新しい創造を求め自己研鑽を重ねている作家です。

 

山本晃(やまもとあきら)

1944年、山口県で生まれた山本晃は、音響メーカーでデザイン担当をつとめたあと、東京の専門学校でデザインを学んだ後、ほぼ独学で彫金技法を習得し、30歳で山口県光市に工房を開きました。

文様に合わせ金属を切り、異なる色彩の金属板をはめ込む「切嵌象嵌(きりばめぞうがん)」と「接合せ(はぎあわせ)」の技法で、動植物や四季折々の風景などをテーマにした綿密で華麗な作品を制作している作家です。

 

 

まとめ

さまざまな技法を駆使して華麗で繊細な作品から、重厚感のある作品まで制作できる彫金は、作家の持ち味を存分に味わうことができる、奥深い工芸品です。

もし、お手元に売却を検討している彫金がございましたら、弊社にご相談ください。

 

 

 

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