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意外と知らない、仏壇用掛け軸にはどんな物がありますか?また、宗派によって図柄は違いますか?

仏壇用掛け軸は仏像の代わりとして飾られ、宗派ごとに図柄や組み合わせが異なります。

仏壇を開けたときに、まず目に入るのが中央に飾られた掛け軸。
その存在感は、仏壇に宿る“魂”といっても過言ではありません。

「仏壇に仏像ではなく掛け軸を飾るのはなぜ?」
「掛け軸の種類って、どんなものがあるの?」
「宗派によって違いがあると聞いたけど、どう違うの?」

そんな素朴な疑問をお持ちの方に向けて、今回は仏壇用掛け軸について詳しくご紹介します。

掛け軸は仏像の代わりになる存在

仏壇に供える仏具には、香炉や燭台などいろいろありますが、掛け軸はそれらと異なり、仏壇の中心に飾る“ご本尊”の役割を果たします。

つまり、仏壇用掛け軸は、仏像の代わりとしてお経を捧げる対象です。
仏像を飾るか、掛け軸を飾るかは菩提寺の指導がない限り、基本的にはご家庭の自由です。

仏像を本尊にして、左右に掛け軸を飾る“併用”の形もありますが、掛け軸を中心にした場合は「三幅(さんぷく)セット」と呼ばれる、本尊と脇侍(わきじ)を一組にした形式が一般的です。

掛け軸に描かれるのは誰?

仏壇用掛け軸には、大きく分けて次の2種類があります。

  • 本尊(中央)

  • 脇侍(左右)

仏像を3体並べる三尊形式と同様に、掛け軸でも中央に最も仏格の高い仏(本尊)を置き、その左右に本尊に仕える存在(脇侍)を飾ります。

本尊として描かれる仏

宗派によって多少の違いはありますが、仏壇の本尊となるのは以下のいずれかが中心です。

  • 阿弥陀如来(あみだにょらい)

  • 釈迦如来(しゃかにょらい)

  • 大日如来(だいにちにょらい)

  • 曼荼羅(まんだら)※日蓮宗のみ

どれも仏教における中心的存在であり、その宗派がもっとも大切にする仏です。

脇侍に描かれるのは誰?

仏像であれば、観音菩薩や勢至菩薩などが脇侍となることが多いですが、仏壇用の掛け軸では、各宗派の高僧や開祖が描かれることが多くなっています。

例えば、親鸞聖人や蓮如上人、弘法大師、道元禅師などです。
また、日蓮宗のように人物像ではなく文字(名号や曼荼羅)を掛ける宗派もあります。

宗派ごとの掛け軸の違い

宗派によって、掛け軸の内容や組み合わせには明確な違いがあります。
以下に主な宗派ごとの本尊と脇侍の内容をまとめました。

宗派 本尊 脇侍(右) 脇侍(左)
天台宗 阿弥陀如来 天台大師 伝教大師
真言宗 大日如来 弘法大師 不動明王
浄土宗 阿弥陀如来 善導大師 法然上人
浄土真宗本願寺派 阿弥陀如来 親鸞聖人 蓮如上人
真宗大谷派 阿弥陀如来 十字名号 九字名号
臨済宗 釈迦如来 宗派によって異なる -
曹洞宗 釈迦如来 承陽大師(道元) 常済大師(瑩山)
日蓮宗 曼荼羅 鬼子母神 大黒天

日蓮宗だけは、仏像や人物像を描かず、「曼荼羅」と呼ばれる書き文字の本尊を中心に据えるのが特徴です。

また、真宗大谷派では脇掛けも文字(名号)となっており、独特の構成となっています。

三幅セットとは?

仏壇に掛け軸を飾る際、基本となるのが「三幅セット」。
これは、本尊1本と脇侍2本を合わせた計3本の掛け軸を一組として飾るスタイルです。

三幅セットは多くの仏具店で宗派別に販売されており、それぞれの宗派に合わせた内容・サイズで作られています。
購入時は、必ずご家庭の宗派に合ったものを選ぶようにしましょう。

また、本尊だけ仏像を飾りたい場合でも、左右の脇侍は掛け軸を使用することで、整ったバランスを保つことができます。

掛け軸のサイズ選びも大切

仏壇用の掛け軸にはサイズがさまざまあります。
仏壇の高さや奥行き、内部の段(棚)の数によって合う掛け軸が異なりますので、購入時には以下の点をよく確認してください。

  • 仏壇の中央の寸法(幅・高さ)

  • 内扉の開閉に干渉しないか

  • 脇掛けのスペースが十分にあるか

  • 吊り金具やフックの位置は適切か

仏壇に対して掛け軸が大きすぎたり、小さすぎるとバランスが悪くなってしまうため、現物を測って選ぶのが失敗しないコツです。

地域によって掛け軸の内容が異なることも

同じ宗派でも、地域によって若干異なる組み合わせが伝統として受け継がれている場合があります。
特に親族やご近所が同じ宗派であれば、その飾り方を参考にするのもひとつの方法です。

不安がある場合は、購入前に菩提寺に相談するのが安心です。

まとめ

仏壇用の掛け軸は、単なる装飾品ではなく、仏壇の中心に据えられる“信仰の対象”です。
仏像と同様に、日々の手を合わせる先であり、ご先祖様への感謝を込めて手を合わせる対象でもあります。

掛け軸には宗派ごとのルールがあり、それぞれの仏様や高僧が大切にされてきた歴史があります。
初めて仏壇を整える方も、代々引き継いだ仏壇を見直したい方も、ぜひ一度掛け軸に目を向けてみてください。

三幅セットで整えることはもちろん、お仏壇のサイズに合った掛け軸を選ぶことが、より丁寧な供養と日々の祈りにつながるはずです。
心を込めた空間作りの第一歩として、掛け軸の役割を見直してみてはいかがでしょうか。

 

 

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