書道具の筆、どのような筆が売れますか?
筆の売却のポイントをご紹介します。
筆も買取対象になる
硯や墨などの書道具は骨董品店出買取対象となっていることが多い品目ですが、書道具の筆も買取対象になることがあります。
しかし、どのような筆でも買い取ってもらえる、高い価値がつくというわけではありません。今回は筆の査定額を左右する売却ポイントについてご紹介します。
状態の良さ
中古品の買取ではどのような品目でも「状態の良さ」は査定額を大きく左右するポイントです。特に、書道用の筆は実用品であるため状態の良さが重視され、実用不可能な状態の品は買取できないこともあります。
軸が折れている、ひびが入っている、大きな傷があるなどの場合はもちろん、穂先がバラバラになっている、毛が抜ける、もつれて塊のようになっているなど、穂先の状態が悪い品は買取対象にならないか、なったとしてもかなり値が下がります。
軸や穂先の状態が良く、実用可能な品ほど価値がつきます。
希少性や骨董・美術的価値
筆の軸に象牙や翡翠が使われている、「細光峰」と呼ばれるオス山羊の首筋の一部からとれる上質な毛を使用しているなど、素材の希少価値が高い筆は高価買取が期待できます。
また、軸に堆朱や蒔絵が施されているなど美術工芸品的な価値がつく場合や、制作された時代が古く骨董的な価値がつく品など価値が認められ、高値になる可能性があります。
一般的な素材で作られた希少価値の低い品でも時代が古いものであれば高い価値がつくこともあるので、古い筆は素材に関わらず査定に出してみるとよいでしょう。
作者や産地
有名な職人が作った筆や、有名な産地で作られた筆は価値がつきやすく、高価買取になることがあります。日本の筆であれば熊野筆や川尻筆、江戸筆や奈良筆など、現在でも筆が作られている地域の筆は価値がつきやすいでしょう。
また、現在はほとんど作られていない仙台御筆や、かつては作られていたものの現在は筆作りが行われていない産地の筆などは希少価値がつく可能性があります。
中国の善璉湖筆(双羊牌)、上海工芸(火炬牌)、蘇州湖筆(金鼎牌)なども価値がつきやすく、古い品は特に高い値がつく可能性があります。
来歴
有名な書家や僧、著名人などが使用していた筆など、来歴によっては高い価値がつくことがあります。
また、筆は消耗品であるという性質上、個人名などが書かれた名入りの品は価値が下がるのが一般的ですが、書家などが所蔵・使用していた筆の場合は名入りの方が価値が高くなり、実用不可能な品でも高価買取になることがあります。
まとめ
このほか、外箱などの付属品の有無によっても査定額が変わります。大筆と中筆のセットなども比較的価値がつきやすいでしょう。
また、筆の価値は、状態・素材・産地などさまざまな要素によって決まりますが、知識や経験がないと判断が難しく正しい価値を見極めることができず、実際よりも低い価値で買取られる可能性があります。
売却の際は、付属品などを揃えて簡単な手入れを行い、知識や経験が豊富な業者を選ぶとよいでしょう。