ひょうっとしてウチにも?愛知・岐阜にたくさん残されている円空仏とは?買取相場はいくらくらい?
円空仏と円空仏の買取相場をご紹介します。
円空仏とは
円空仏とは、江戸時代前期の行脚僧 円空が彫った木彫りの仏像のことです。
美濃国(現在の岐阜県)で生まれたといわれる円空の出生や生涯は謎に包まれており、幼少の頃から仏門に入ったとも、天台宗の僧であったとも、最初は禅僧であったともいわれていますが、一説によると長良川の洪水で母を亡くしたのをきっかけに仏像を彫り始めたといわれています。
美濃国を拠点に北は北海道、南は三重・奈良と行脚しながら仏像を各地に残しており、生涯に彫った仏像は12万体ともいわれています。
なかでも、拠点としていた岐阜・愛知には多くの円空仏が残されており、愛知県内で3000体以上、岐阜県内で1000体以上を数えます。
円空仏の特徴
一般的に仏像というと厳かな表情と華麗な装飾が特徴ですが、円空仏は装飾らしい装飾はほとんどない素朴な作りで、どことなく微笑んでいるような表情が特徴です。さらに、一般的な仏像が人間近い体型・頭身で作られているのに対し、円空仏は頭が大きく、服や体などはデフォルメされており、仏像というよりもアイヌの木彫り人形「ニポポ」などに代表される民芸品的な雰囲気があります。
割った時の切断面や節が残ったまま木を粗く削り、表面に何も塗らずに仕上げる円空仏は、木が持つ風合いを活かした造形や慈愛に満ちた表情から「気軽に拝める仏像」として当時の民衆に受け入れられてきました。円空仏の多くが個人所蔵であるのも、民衆のために作られた仏像だからといえるでしょう。
円空仏の買取相場
円空仏の買取価格は大きさや状態によって異なりますが、骨董的価値も高いことから数万円程度の値がつくこともあります。
ただし、高値がつくのは基本的に「円空が作った円空仏」です。円空仏は昔から人気・需要が高いため偽物や模造品が多いほか、円空仏の様式で作った「円空彫」の仏像もあります。円空仏の偽物や模造品、円空彫の仏像の場合は買取価格が下がったり、買い取りできない可能性があります。
岐阜県内で円空仏を鑑賞できる場所
岐阜県内には円空仏を所蔵している社寺などが複数ありますが、一度に複数の円空物をたくさん見るなら、関市円空館、関市洞戸円空記念館、船山富士神社(関市)、美並ふるさと館(郡上市)、下呂温泉合掌村(下呂市)がおすすめです。
また、羽鳥市の中観音堂・羽島円空資料館には円空仏では最大となる222cmの十一面観音像をはじめ、不動明王、阿弥陀如来、大日如来など多くの円空仏を観ることができます。
まとめ
素朴で温かみのある円空仏は、民衆のための仏像として古くから愛されてきました。蔵の整理などで発見されることも多いため、円空仏と思われる仏像が見つかったら一度査定に出してみてはいかがでしょうか。
ただし、円空仏はその価値の判断が難しい上、偽物が多く出回っています。知識や経験のない業者に売却すると買取価格が安くなる可能性がありますので、実績のある業者を選ぶことが重要なポイントとなります。
円空仏の売却をご検討の方は、弊社にご相談ください。