骨董品の鑑定料の相場はいくらですか?鑑定後は鑑定証書の発行もしてもらえますか?
骨董品鑑定料の相場や鑑定証書についてご紹介します。
「鑑定」と「査定」
骨董品の売却を検討しているとよく聞くのが「鑑定」と「査定」という言葉です。
どちらも品物の価値や価格を決めるために行うものですが、鑑定と査定は内容がまったく異なります。
鑑定とは、その骨董品が本物であるかどうかを判定することです。
例えば、「南宋時代に作られた花器」といわれている陶器が、「南宋時代の作かどうか」「誰の作品か」などを判定するのが鑑定です。
一方、査定とは「いくらで買い取りできるか」を判断することで、「品物の状態や出来ばえ、市場でのニーズ」などから価格を決めます。
もちろん、作品が本物であれば査定額は高くなるため、査定の中に鑑定が含まれることもあります。
しかし、鑑定と査定では必要とされる知識に違いがありますので、「査定はできても鑑定はできない」「鑑定はできても査定はできない」ということも多く、「鑑定書が付いていないものは真贋がわからないもの」として査定額も低めになってしまいます。
鑑定書がついていると、鑑定をすることができない業者はもちろん、鑑定ができる業者からも「真作である可能性が高い」ということから、高い査定額を提示してもらうことができます。
鑑定料の相場
鑑定料は業者が自由に決めることができるため、鑑定士や業者によって金額にばらつきがあります。
さらに、絵画、陶磁器、書といったジャンルや、作家によって異なる鑑定料が設定されていることもあるため、相場がわかりにくいのが実状です。
ただし、一般的には1点当たり3~6万円となっていることが多く、鑑定が難しい作家などについては8万円など高めに設定されていることがあるという具合です。
また、鑑定と買取を同時に行う業者は、鑑定料を具体的に定めるのではなく「買取額の10~20%」としていたり、買取が成立した場合は鑑定料無料としていることもあります。
基本的には、鑑定料は1点ごとにかかりますが、2点目以降は鑑定料を割引している業者も存在します。
鑑定証書の発行
「鑑定書」とも呼ばれる鑑定証書の発行は、真作と鑑定された作品にはすべて発行するという業者と、鑑定書発行の依頼があれば発行するという業者があります。
また、鑑定書発行の手数料が鑑定料に含まれている場合と、鑑定料とは別になっていることがあり、鑑定料と別に設定されている場合は1~3万円程度の発行手数料がかかることが多いようです。
鑑定を依頼するときは、業者に鑑定眼があるかはもちろん、鑑定料がいくらか、鑑定書の発行に手数料が別途かかるのかなども確認しておくとよいでしょう。
まとめ
真贋を判断する目を養い、鑑定に必要な知識と経験を積むには長い年月がかかるため、必然的に鑑定料も高くなってしまいます。
高いと感じられるかもしれませんが、一般的に鑑定能力と鑑定料は比例するものですので、高い鑑定料を払い鑑定書を発行してもらうことは「信頼と保証を買う」ようなものといえるのではないでしょうか。