絵画における経年劣化の4つの特徴
絵画の経年劣化の特徴を紹介します。
絵画は年数とともに必ず劣化するもの
絵画はその使用している画材の性質上寿命が決まっているもので、完全に劣化しないようにするのはほぼ不可能となります。そのため修復をして現在も観れるように保存をしておくことが大事です。
制作段階の塗り方を除けば保存方法としては 温度、相対湿度、光などに注意するということになりますが、その他の用途でも絵画は劣化します。主に絵画が劣化する原因としては下記があります。
1.乾燥による絵の具のひび割れ
いずれ劣化する理由として、絵の具の性質があります。絵の具の種類にもよりますが固まっている絵の具がひび割れてしまうことが劣化となります。特に絵の具に影響が強いのは乾燥で、絵の具のひび割れは基本的にこの乾燥が原因です。また極度の乾燥状態だとキャンバスの変形にもつながります。
2.キャンバスの劣化に注意
キャンバス、つまり絵の具で書かれている紙の部分も経年によって劣化していきます。絵の具自体に影響がなくてもキャンバスが湿度や温度によって縮まったり伸びてしまったりと変形してしまうとキャンバスと絵の具が合わなくなり、絵の具にヒビがはいってしまうのです。キャンバスだけではなく木製の枠なども湿気などが変形の要因となります。
3.絵の具に汚れが侵入するのも原因のひとつ
一般的に汚れが絵の具の深くまでに入ってしまうということも劣化の原因のひとつで、これはしっかりと手入れすることである程度は防ぐことができるものです。
例えば下記があります。
- 空気中に舞っているホコリや汚れ
- タバコの煙
- 害虫
- カビ
ホコリや汚れは長期間絵画に付着していなければ通常絵の具のなかまでは入りません。害虫は部屋の掃除をしっかりとおこない、煙も飾る部屋を禁煙にするれば防ぐことは可能です。絵の具やキャンパスのひび割れ対策として湿気に気をつけていれば、カビも防ぐことができます。
4.絵画への圧力でも劣化は進む
当然ではありますが、絵画自体に強い力が加わってしまうと、絵画が変形してしまいます。壊れるほどの力の強さではなくても、運搬の時などに裏から圧力を加えてしまったりすることで、表の絵の具部分のひび割れにつながります。
まとめ
絵画の経年劣化を完全に防ぐことはできませんが、湿度や汚れに気をつけて、運搬する際にも強い力をかけないようにするなど、しっかりとした保管をしていれば経年劣化を遅らせることは可能です。 骨董品として販売する場合にはこうした劣化部分は値段が下がる要因となるので注意しましょう。