戦前絵葉書には価値がある?高く売れるジャンルと見分け方を解説
軍事、風俗、美人画などテーマ性の強いものは高額査定されることもあり、保存状態や希少性によって価値が大きく変わります。
実家の片づけや古いアルバムの整理で、戦前の絵葉書が出てきたことはありませんか?
一見ただの古いはがきに見える戦前絵葉書ですが、実はコレクターの間では高値で取引されるケースもあります。
この記事では、戦前絵葉書の基本知識と価値の見分け方、高く売れるジャンルなどをわかりやすく解説します。
戦前絵葉書とは?歴史と特徴を解説
戦前絵葉書とは、おもに明治・大正・昭和初期にかけて発行された絵入りのはがきのことを指します。
当時は旅行の記念や軍事郵便、プロパガンダとしても盛んに使われ、印刷技術の高さや独特のデザイン性が評価されています。
絵画的なタッチや、現代では見られない街並み・風俗などの描写は、資料的価値や芸術性からも注目されています。
高く売れる戦前絵葉書のジャンルとは?
戦前絵葉書のなかでも、以下のようなテーマは高値がつきやすいとされています。
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軍事絵葉書・戦争記録:日露戦争や満州事変などを題材にしたものは、当時の歴史を物語る貴重な資料として人気です。とくに、兵士の直筆メッセージがある絵葉書は、現存数が少なく希少性が高いため、高値がつくこともあります。
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美人画・風俗絵葉書:芸者やモダンガール(モガ)など、当時の風俗を反映した美人画は国内外のコレクターに人気があります。
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鉄道・建築・風景:失われた駅舎や街並み、古い建物が写ったものは、歴史的資料としても価値があります。
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戦前の観光地や博覧会:東京博覧会や京都の名所など、観光産業初期の貴重な記録として評価されています。
売れにくい戦前絵葉書の特徴
逆に、以下のような絵葉書は価値がつきにくい傾向があります。
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傷みや変色、破れがあるもの
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同一デザインの大量流通品
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明確なテーマがない無記名の風景
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戦後に似せて作られたレプリカ
状態が悪いものでも、テーマ性が強ければ値段がつくことがありますが、基本的には保存状態が重要です。
戦前絵葉書の価値を見分けるポイント
「価値があるかどうか」は、以下の3つの視点からチェックしてみましょう。
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発行時期:明治〜昭和初期の消印や発行年の記載があるか。
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テーマ性:歴史性・社会性のあるモチーフが含まれているか。
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保存状態:折れや変色の有無。美品ほど評価は高まります。
また、裏面に「逓信省(現在の財務省や郵便局にあたる機関)」や「官製」などの記載があるはがきは、正式な流通品として特に注目されます。また、手彩色(白黒写真に筆で着色したもの)の絵葉書も、一点物としての価値から高評価に繋がることが多いです。
実際の相場と価格例
戦前絵葉書の価格は、1枚数百円から高いものでは数万円以上に及ぶこともあります。
たとえば、
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日露戦争当時の軍事絵葉書(兵士直筆):1万円前後
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有名作家の絵入り美人画:5,000円以上
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観光地の初期カラー印刷もの:3,000円前後
これらはあくまで一例であり、状態や希少性により価格は大きく変動します。
セットやまとめ売りにすることで、単価が上がる場合も多いです。
高く売るためのコツ
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無理に修復しない
汚れを落とすつもりで洗浄や補修をすると、かえって価値を下げてしまうことがあります。 -
シリーズ物はまとめて出す
同一テーマや同一時代の絵葉書はセットで査定に出すと評価が高まります。 -
専門店で査定を受ける
リサイクルショップでは正確な価値が判断されにくいため、絵葉書・骨董品に詳しい専門業者に依頼しましょう。
まとめ
戦前絵葉書は、ただの古いはがきと思われがちですが、テーマや保存状態によっては思わぬ高値がつくことがあります。
捨ててしまう前に、専門の査定士に見てもらうことで、その価値を正しく知ることができます。
ゴトー・マンでは、美術品に精通した査定士が、一点ずつ丁寧に価値を見極めて査定いたします。
「これ、売れるの?」と感じたら、ぜひお気軽にご相談ください。