リトグラフとシルクスクリーンの違いとは?それぞれの価値について教えてください
リトグラフとシルクスクリーンは、版の作り方やインクののせ方に違いがあります。
手頃な価格で買える版画
絵画には油絵や水彩画、木版画などさまざまな種類があります。その中でも、近現代の美術作品やポップアートでよく見られるのが「リトグラフ」と「シルクスクリーン」です。
どちらも版画の一種で、一つの原版から複数の作品を制作できる点が特徴です。そのため、油絵などに比べて比較的手に取りやすく、美術品としても人気があります。
一方で、リトグラフとシルクスクリーンは制作方法や表現の特徴が異なります。本記事では、それぞれの違いや見分け方、作品としての評価ポイントについて分かりやすくご紹介します。
リトグラフとは?

リトグラフの歴史
リトグラフという名前は、ギリシア語で石を意味する「lithos(リトス)」が語源といわれています。発明当初は大きな石灰岩を版に使っていたため、日本では「石版画」とも呼ばれていました。
18世紀末のドイツで発明され、はじめは楽譜や文字の複製に使われていました。その後、絵画制作にも用いられるようになり、パブロ・ピカソをはじめとする近現代の作家の版画作品にも広く取り入れられています。
なお、現在では石灰岩だけでなく、扱いやすいアルミ板や亜鉛合金などの金属板が使われることも多いです。
繊細な表現に向いた平版画(へいはんが)
リトグラフは、薬品を使ってインクがのる部分とインクをはじく部分を作り分けて印刷する版画技法です。
版の表面に凹凸がないため、「平版画」と呼ばれることもあります。
シルクスクリーンとは?

シルクスクリーンの歴史
シルクスクリーンは、20世紀以降に広く使われるようになった比較的新しい版画技法です。もともとは、シルクを張った枠を版として使用していたことから、この名前で呼ばれています。
現在では、シルクの代わりにナイロンなどの化学繊維のメッシュが使われることも多くなっています。
アンディ・ウォーホルなどのポップアート作品にも用いられた技法として知られており、美術作品のほか、Tシャツやトートバッグなどの布製品、ポスター、看板などにも利用されている身近な印刷技法です。
鮮やかな色彩構成に向いた孔版画(こうはんが)
シルクスクリーンは、シルクやメッシュなどを張った枠を使う版画技法です。
メッシュの一部を乳剤などの薬品でふさぎ、インクが通る部分と通らない部分を作ることで図柄を刷ります。インクが穴を通って紙や布に写る仕組みのため、「孔版画」ともいいます。
リトグラフとシルクスクリーンの違い
リトグラフとシルクスクリーンの大きな違いは、リトグラフが「平版」、シルクスクリーンが「孔版」という制作技術の違いにあります。
リトグラフは、クレヨンや鉛筆のタッチ、水彩のようなにじみなどを表現しやすく、手描きに近い繊細な作品を作ることができます。
一方、シルクスクリーンは色ムラが出にくく、発色がよいという特徴があります。リトグラフのような繊細な表現はやや難しく、作品によっては平坦な印象になることもあります。
ただし、重ねた色の数や作品の内容によっては、見た目の違いがあまり感じられないかもしれません。
岐阜を中心に美術品・骨董品の買取をするゴトー・マンのブログでは、実際に買取した作品の写真を掲載しておりますので、気になる方はぜひスタッフブログもご覧ください。
版画の価値はどう決まる?高価買取の注目ポイント
リトグラフやシルクスクリーンの価値は、技法だけで決まるものではありません。
査定では、作家名や作品の状態、サインの有無などが確認されます。
査定時に重要な3つの評価基準
1.作家の知名度や人気
美術品の価値を決める大きなポイントは、「誰の作品か」です。
国内外で評価されている作家や、コレクターから人気のある作家の作品は、技法を問わず評価されやすいです。同じリトグラフやシルクスクリーンでも、作家や作品の人気によって価値は大きく変わります。
2.エディション番号と直筆サインの有無
エディション番号や直筆サインがあると、作品の情報を確認しやすくなります。
版画は、一つの原版から複数制作される作品です。
そのため、余白部分に「5/100」のようなエディション番号が記載されています。これは、100部制作されたうちの5番目の作品という意味です。
また、作家本人の直筆サインが入っているかどうかも大切な確認ポイントです。
3.保存状態(シミ・日焼けの有無)
版画は紙に刷られていることが多いため、額縁に入っていても、湿気によるシミやカビ、直射日光による日焼けなどが起こることがあります。
状態がきれいに保たれているほど、査定時にも良い評価につながりやすくなります。
箱・保証書・購入時の資料も一緒に保管する
版画作品を売却する際は、作品本体だけでなく、箱や保証書、購入時の資料なども一緒に保管しておくことが大切です。
- ギャラリーや百貨店で購入した際の保証書
- 作品証明書
- 領収書
- パンフレット
これらが手元にあると作家名や作品名、購入時期などを確認しやすくなります。
また、外箱や布袋などの付属品が残っている場合も、作品と一緒に査定へ出すとよいでしょう。
ポスターや複製画との見分けが難しい場合もあるため、正しい価値を知りたい場合は、美術品の査定に詳しい専門業者へ相談することをおすすめします。
まとめ|技法による表現の違いを楽しもう
リトグラフとシルクスクリーンは、現代アート作品で見かけることが多く、油絵などと比べると価格が手ごろで入手しやすいため、身近で楽しみやすい美術品といえます。
作品としてはシルクスクリーンの方が多く見られますが、リトグラフとシルクスクリーンの両方を手がけている作家も少なくありません。
それぞれ制作技法や表現の特徴が異なるため、美術館やギャラリーなどで作品を見る機会があれば、色の出方や線の雰囲気を見比べてみるのもよいでしょう。
ゴトー・マンでは、リトグラフやシルクスクリーンなどの版画作品の査定も行っておりますので、価値が気になる作品がございましたら、フォームよりお気軽にご相談ください。





